生擒いけどり)” の例文
大軍の主将といえども、生擒いけどりにされないことはない。しかし、微々たる田夫野人でも、その操守を奪い取ることは出来ない。」
論語物語 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
「あのくににすんだにしても、みんな生擒いけどりにされたり、ころされたりするものばかりでもないだろう。」と、ひとりがいいますと
ふるさと (新字新仮名) / 小川未明(著)
何でもよほど古い事で、神代かみよに近い昔と思われるが、自分がいくさをして運悪く敗北まけたために、生擒いけどりになって、敵の大将の前に引きえられた。
夢十夜 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「そうだ。ミミ族だ。さっきから音響砲の砲撃をくらって、かなり弱っている。さあ、そこをつけこんで、あいつらを、みな生擒いけどりにしてもらおう」
宇宙戦隊 (新字新仮名) / 海野十三(著)
それはこの記者を生擒いけどりにして、新聞紙の上でさかんに賛成論を書き立てさせたら、屹度効力ききめがあるだらうと思つたからだつた。
山三郎を生擒いけどりにするなどというが、それは駄目ですぜ、何故なりゃア彼奴あいつは滅法力がある、十八人力あると云いまさア、浦賀中で聞いて御覧なさい
凱旋の翌日、た首を検したのに二千五百余あった。下方しもかた九郎左衛門が生擒いけどりにした権阿弥ごんあみをして首を名指さしめた。
桶狭間合戦 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
それから、僕が日本語でやる生擒いけどりの報告中、チャンドを見るジェソップ氏の眼に、失望の色が濃くなってきた。
一週一夜物語 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
延喜年間に盗の為に殺された前安芸守さきのあきのかみ伴光行、飛騨守ひだのかみ藤原辰忠、上野介かうづけのすけ藤原厚載、武蔵守むさしのかみ高向利春などいふものも、けだし維幾が生擒いけどりされたやうな状態であつたらう。
平将門 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
中屋敷では、時田が美吉屋の家宅の摸様を書いたものを一同に見せ、なるべく二人を生擒いけどりにするやうにと云ふ城代の注文を告げた。岡野某は相談して、時田から半棒はんぼうを受け取つた。
大塩平八郎 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
この現象は五、六年に一回位の割合で起り、鮒に限っているそうであるが、其原因は不明であるという。水鳥も絶えず沼に浮んで居るが、去年は十数羽のが来て、其一羽を網で生擒いけどりしたとか。
尾瀬雑談 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
一、生擒いけどりの二王子は沈惟敬に添へて返す
二流の人 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
生擒いけどりのものか」
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
大和は、文武の達者で、和歌の名人であったから、元就かねて生擒いけどりにしまほしきと言っていたのを光景思出し、大和守に其意を伝えて、之を生擒にした。
厳島合戦 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
それを使つかって、んでいるとりをうつこともできれば、また、たくみな方法ほうほう生擒いけどりにすることもできます。あなたがたも、はやく、つからないうちに、おかえりなさい。
ふるさと (新字新仮名) / 小川未明(著)
「おお、これじゃ、これじゃ。わしの想像していたとおりじゃった。二つの球体が互いにぐるぐる廻っているのがよく分る。はて、こういうわけなら、○○獣を生擒いけどりに出来ないこともないぞ」
○○獣 (新字新仮名) / 海野十三(著)
今で云へば県庁を襲撃し、県令を生擒いけどりし、国庫に入るき財物を掠奪したのに当るから、心を天位に掛けぬまでも大罪に相違無い。将門は玄明、興世王なんどの遣口やりくちを大規模にしたのである。
平将門 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
して集めてきたまえ。○○獣の生擒いけどりがうまくゆかなければ、この事件の被害はますます大変なことになるのだ。井戸掘機械なりとなんなりと、要ると思うものはすぐ集めてきて、早くこのとおりの穴を
○○獣 (新字新仮名) / 海野十三(著)
○○獣生擒いけどり
○○獣 (新字新仮名) / 海野十三(著)