“いけどり”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:イケドリ
語句割合
生擒41.7%
生捕38.9%
捕虜5.6%
生獲2.8%
生虜2.8%
俘虜2.8%
生揃2.8%
生鳥2.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「あのくににすんだにしても、みんな生擒いけどりにされたり、ころされたりするものばかりでもないだろう。」と、ひとりがいいますと
ふるさと (新字新仮名) / 小川未明(著)
……ゴンクールはきっと僕が生捕いけどりにして見せるからと云って嬢次君が藤波弁護士にことづけたんですけど、何だか不安でしようがなかったんです。
暗黒公使 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
たった今向こうの森の中で捕虜いけどりにされたものと見えて、頬の辺に生々しい切り傷の跡がついていてそこから生血が流れている。純白の服はズタズタに千れ肌さえ露骨あらわに現われている。
沙漠の古都 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
文中記載のゴリラを生獲いけどりしてこの一行に持ち込んだらしい剽悍ひょうかん兀鷹ズール族の一隊というのは、その千八百哩の彼方密林中に住んでいた土人種族にしても
令嬢エミーラの日記 (新字新仮名) / 橘外男(著)
……そして見上げるようなゴリラの身長は七フィートインチ、北西バンバデンガ境ムーラ河のほとりで深い陥し穴の中へ落ちていたのを、十四、五人の死傷者を出してやっと生獲いけどりしたのだということであった。
令嬢エミーラの日記 (新字新仮名) / 橘外男(著)
どうかして一匹とらえたいものだと、たびたび森の中を歩きまわって、ひどく苦心をして、やっとのことで生虜いけどりにしたのです。
新宝島 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
すると、その弾丸が一羽の、鳥のはねにあたって、飛ぶ力を失って地上へ落ちて来ました。それを、犬のポパイといっしょにかけつけて、とりおさえ、生虜いけどりにしたというわけでした。
新宝島 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
「どうもしないが、こうまず俘虜いけどりにしておいてどッこい……」と振放そうとする手を握りしめる。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
牡鹿城おじかじょう没落の事、並びに則重のりしげ生揃いけどりの事
リゼットが始めて彼にとらえられてサン・ラザールのシャトウ——すなわ牢屋ろうやへ送り込まれるときには生鳥いけどりうずらのように大事にされた。真にりょうを愛する猟人かりうどものを残酷ざんこくに扱うものではない。
売春婦リゼット (新字新仮名) / 岡本かの子(著)