生捕いけどり)” の例文
矢庭やにはに二人とも生捕いけどり引立ひきたてしは心地よくこそ見えたりけりよつて二人とも入牢申付られしが吉原にあり手負ておひの平四郎は四日相果あひはてし故檢視けんし
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
……ゴンクールはきっと僕が生捕いけどりにして見せるからと云って嬢次君が藤波弁護士にことづけたんですけど、何だか不安でしようがなかったんです。
暗黒公使 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
裏のしいの木に蜜蜂が二、三百匹ぶら下がっていたのを見つけてすぐ籾漏斗もみじょうごに酒を吹きかけて、ことごとく生捕いけどりにした。
三四郎 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「誰だ。大声をあげて笑うのは。お前たちの頼みに思う怪塔王は、こうして今、俺の傍に生捕いけどりになっているんだぞ」
怪塔王 (新字新仮名) / 海野十三(著)
当時の事情に従へば、少くとも、チユヤを生捕いけどりにすることは、絶対に、政府には必要だつた。そのためには、どうしても、不意打ふいうちを喰はせなければならなかつた。
日本の女 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
前後に気を配り左右へ眼を使い昼夜とも安寝出来ざる故、終に気力弛み生捕いけどりに合い候事毎々に御座候。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
野牛を生捕いけどりにして、また放してやったこと、沢山の野生の馬を馴らしたこと、それから、アマゾン女族の戦争好きの女王ヒポリタを征服したことなどを話して聞かせました。
私は全で生捕いけどりに成つたやうなもので、出るには出られず、這箇こつちの事が有るから、さうしてゐるそらは無し、あんな気のめた事は有りはしない——本当ほんとにどうせうかと思つた。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
いくらあばれても、俯向うつむきに落ちたところを上から押しつぶされたのだから動きが取れないでいるうちに、演芸用の綱渡りの綱を持って来てグルグルと縛って難なくこれも生捕いけどり
ポリモス上人さまがたうとう悪魔を生捕いけどりになさつた。けれど、悪魔は殺さうたつて死なないものだから、それをアフリカの方へ捨てるために、今朝の船でお出かけなさることになつた。
エミリアンの旅 (新字旧仮名) / 豊島与志雄(著)
牡鹿城おじかじょう没落の事、並びに則重のりしげ生捕いけどりの事
二四 生捕いけどりにされた太閤さん
空中征服 (新字新仮名) / 賀川豊彦(著)
「課長、彼等を殺してしまっては、何にもならんじゃないですか。ぜひ生捕いけどりにしろと、なぜ命令しないのですか」
火星兵団 (新字新仮名) / 海野十三(著)
裏のしいの木に蜜蜂が二三百疋ぶらがつてゐたのを見付けて、すぐ籾漏斗もみじょうごに酒を吹きかけて、ことごと生捕いけどりにした。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
とうとうそのまたになった角をつかまえて、生捕いけどりにして家につれて帰った話をしました。
やって、生捕いけどりにしてやるんだ。あいつは悪い奴だ。わが海軍に仇をするばかりか、俺の大事な部下の青江を殺しやがった。ここまで来れば、俺は命をかけて、怪塔王をとっちめてやるんだ
怪塔王 (新字新仮名) / 海野十三(著)