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うつしよ
ふりがな文庫
“
現世
(
うつしよ
)” の例文
この血だらけの魚の
現世
(
うつしよ
)
の
状
(
さま
)
に似ず、梅雨の日暮の森に
掛
(
かか
)
って、
青瑪瑙
(
あおめのう
)
を畳んで高い、石段下を、横に、
漁夫
(
りょうし
)
と魚で一列になった。
貝の穴に河童の居る事
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
今やフラミニアは死せり、
現世
(
うつしよ
)
の爲めには
亡人
(
なきひと
)
の數に入りたり。世にはこれを抱き、その唇に觸るゝことを得るものなし。是れ我が
責
(
せめ
)
てもの慰藉也。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
何という地上の媚態、嬌姿! だが、
現世
(
うつしよ
)
の舞台は何と悪魔の眼にあわれに貧しく映ることよ!
踊る地平線:04 虹を渡る日
(新字新仮名)
/
谷譲次
(著)
最後の
後裔
(
もの
)
を
現世
(
うつしよ
)
にて、未だ曾て類ひなき極悪人たらしめて、彼の重ねる悪業の、一つ一つに
先祖
(
さきおや
)
の亡霊どもが
棺
(
ひつぎ
)
の中で安息を掻き乱され、娑婆では知られぬ苦悩を忍び
ディカーニカ近郷夜話 後篇:03 怖ろしき復讐
(新字旧仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
御行 (もはや
耐
(
た
)
えかねたような
詠嘆調
(
えいたんちょう
)
にて)ああ、何と云う
妙
(
たえ
)
なる楽の音だ。……これが、このあじけない
現世
(
うつしよ
)
のことなのだろうか?………いいや、これはもう天上の調べだ。
なよたけ
(新字新仮名)
/
加藤道夫
(著)
▼ もっと見る
この
玲瓏
(
れいろう
)
として充実せる一種の意識、この
現世
(
うつしよ
)
の歓喜と倫を絶したる静かに
淋
(
さび
)
しく而かも孤独ならざる無類の歓喜は凡そ十五分時がほども打続きたりと
思
(
お
)
ぼしきころ、ほのかに消えたり。
予が見神の実験
(新字旧仮名)
/
綱島梁川
(著)
現世
(
うつしよ
)
は めでたきみ代ぞ
平
(
たひら
)
けく
微笑
(
ゑみ
)
て
在
(
お
)
はせな
百済
(
くだら
)
みほとけ
大和古寺風物誌
(新字新仮名)
/
亀井勝一郎
(著)
現世
(
うつしよ
)
の身の
成果
(
なりはて
)
もおもほえて寂しとぞおもふ深山鈴蘭
雀の卵
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
現世
(
うつしよ
)
の不朽不死なる
妃
(
きさき
)
にも譬ふべき
此
(
こ
)
の「奢侈」。
珊瑚集:仏蘭西近代抒情詩選
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
現世
(
うつしよ
)
のいずこにも、きみがためには
住所
(
すみか
)
あらじ
ウスナの家
(新字新仮名)
/
フィオナ・マクラウド
(著)
世の
幸
(
さち
)
を今はた
識
(
し
)
りぬ、人の住むこの
現世
(
うつしよ
)
に
海潮音
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
……ああ、深くて、うすい
現世
(
うつしよ
)
のご縁であった
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
此の若者、
現世
(
うつしよ
)
の醜悪の前に
ランボオ詩集
(新字旧仮名)
/
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー
(著)
現世
(
うつしよ
)
の川に
かげろふ断章
(新字旧仮名)
/
原民喜
(著)
一目見て、幼い織次はこの
現世
(
うつしよ
)
にない姿を見ながら、驚きもせず、しかし、とぼんとして小さく立った。
国貞えがく
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
聖母
(
マドンナ
)
は、
現世
(
うつしよ
)
にて君と我との一つにならんを許し給はで、二人を遠ざけ給ひしにて候。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
現世
(
うつしよ
)
の
漆
(
うるし
)
の花のひと木立臈たくしろき月空にあり
白南風
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
ひろき
現世
(
うつしよ
)
にさまよえる
美
(
うつくしさ
)
のほのかなる
顔
(
おも
)
よ
ウスナの家
(新字新仮名)
/
フィオナ・マクラウド
(著)
世の
幸
(
さち
)
を今はた
識
(
し
)
りぬ、人の住むこの
現世
(
うつしよ
)
に
海潮音
(新字旧仮名)
/
上田敏
(著)
さらば彼洞窟は幽魂の
往來
(
ゆきき
)
するところにして、我は一たび其境に陷り、
聖母
(
マドンナ
)
の惠によりて又
現世
(
うつしよ
)
に歸りしにや。われはかく思ひ
惑
(
まど
)
ひつゝも、わが
掌
(
たなぞこ
)
を組み合せて彼舟中の少女の上を懷ひぬ。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
現世
(
うつしよ
)
の
漆
(
うるし
)
の花のひと木立臈たくしろき月空にあり
白南風
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
現世
(
うつしよ
)
には、人の子のすべての夢は吹きちらさる
ウスナの家
(新字新仮名)
/
フィオナ・マクラウド
(著)
ことに歎くな、
現世
(
うつしよ
)
を
涯
(
かぎり
)
も知らぬ
苦界
(
くがい
)
よと。
海潮音
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
ことに歎くな、
現世
(
うつしよ
)
を
涯
(
かぎり
)
も知らぬ
苦界
(
くがい
)
よと。
海潮音
(新字旧仮名)
/
上田敏
(著)
深く深く、
現世
(
うつしよ
)
に命あり叡智あるもの
畑の祭
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
“現世”の意味
《名詞》
(仏教)三世の一つ。現在の世。この世。
(出典:Wiktionary)
“現世”の解説
現世(げんせ、げんせい、うつしよ)とは、現在の世のこと。古くは「げんぜ」とも読む。
(出典:Wikipedia)
現
常用漢字
小5
部首:⽟
11画
世
常用漢字
小3
部首:⼀
5画
“現世”で始まる語句
現世利益
現世時代
現世紀
現世生活中
現世式
現世的
現世観
現世生活
現世利益弁
現世安穏後生善処