誰も居てはいけない そして樹がなけらねば さうでなけらねば どうして私がこの寂しい心を 愛でられようか 遠くの路を人が時時通る 影は蟻のやうに小さい 私は蟻だと思つて眺める 幼い児が泣いた眼で見るやうに それをぼんやり考へてゐる 何もしない …
| 著者 | 原民喜 |
| ジャンル | 文学 > 日本文学 > 詩歌 |
| 初出 | 蟻「少年詩人 四号」1924(大正13)年11月
机「春鶯囀 二号」1926(大正15)年
冬「春鶯囀 二号」1926(大正15)年
春望「春鶯囀 創刊号 |
| 文字種別 | 新字旧仮名 |
| 読書目安時間 | 約15分(500文字/分) |
| 朗読目安時間 | 約24分(300文字/分) |