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無勢
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ぶぜい
ふりがな文庫
“
無勢
(
ぶぜい
)” の例文
もとより勇豪の平馬どののことゆえ、下妻のやつらのごとき、恐るるにもあたるまいが、俗にも言う多勢に
無勢
(
ぶぜい
)
——どうも心配でならぬ
平馬と鶯
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
しかしチユウヤは、勇敢に戦つて、捕手を
二人
(
ふたり
)
斬
(
き
)
り殺した。けれども、とうとう
多勢
(
たぜい
)
に
無勢
(
ぶぜい
)
で、捕手のために逮捕されてしまつた。
日本の女
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「そうして幽霊の小屋へ行って、何かごた付いたろう。はは、相手が悪い。おまけに
多勢
(
たぜい
)
に
無勢
(
ぶぜい
)
だ。なぐられて突き出されて、ちっと器量が悪かったな」
半七捕物帳:57 幽霊の観世物
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「まあまあ、そこのところをひとつ——どうかそういうわけでございますから旦那様、
多勢
(
たぜい
)
に
無勢
(
ぶぜい
)
でどうもはや、どうかお引移りを願いたいもので……」
大菩薩峠:04 三輪の神杉の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
中津人は俗物であると
思
(
おもっ
)
て、
骨肉
(
こつにく
)
の
従兄弟
(
いとこ
)
に対してさえ、心の中には何となく
之
(
これ
)
を
目下
(
めした
)
に
見下
(
みくだ
)
して居て、
夫等
(
それら
)
の者のすることは一切
咎
(
とがめ
)
もせぬ、
多勢
(
たぜい
)
に
無勢
(
ぶぜい
)
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
▼ もっと見る
多勢
(
たぜい
)
に
無勢
(
ぶぜい
)
である。ときには、ひょっとしたら自分たちはそういう異類のものゝ血筋なのではないか。
生々流転
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
その中には多少
時勢
(
じせい
)
に通じたるものもあらんなれども、多数に
無勢
(
ぶぜい
)
、一般の挙動はかくのごとくにして、局外より
眺
(
なが
)
むるときは、ただこれ
攘夷
(
じょうい
)
一偏の
壮士輩
(
そうしはい
)
と認めざるを得ず。
瘠我慢の説:04 瘠我慢の説に対する評論について
(新字新仮名)
/
石河幹明
(著)
旦那も切合って私も切合ったが、多勢に
無勢
(
ぶぜい
)
敵
(
かな
)
わぬ、早く百姓をというので大勢来て見ると、貴方は宅へ帰って寝て居る時分だから分らぬてえ、気の毒なといって死骸を引取り
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
ただ神経ばかり痛めて、からだは悪くなる、人は
褒
(
ほ
)
めてくれず。向うは平気なものさ。坐って人を使いさえすればすむんだから。
多勢
(
たぜい
)
に
無勢
(
ぶぜい
)
どうせ、
叶
(
かな
)
わないのは知れているさ。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
僕は一生懸命にそうはさせまいとしましたけれども、
多勢
(
たぜい
)
に
無勢
(
ぶぜい
)
で
迚
(
とて
)
も
叶
(
かな
)
いません。
一房の葡萄
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
と、クーパーはふんがいしてみたが、なにしろ
多勢
(
たぜい
)
に
無勢
(
ぶぜい
)
でどうにもならない。
海底大陸
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
息
(
いき
)
はきれる。——それに、
多勢
(
たぜい
)
に
無勢
(
ぶぜい
)
だ。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
何しろ
多勢
(
たぜい
)
に
無勢
(
ぶぜい
)
と云い、こちらは年よりの事でございますから、こうなっては勝負を争うまでもございません。
邪宗門
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
もがいても狂っても、
多勢
(
たぜい
)
に
無勢
(
ぶぜい
)
である。采女は大地に捻じつけられて、両腕をひしひしと
縛
(
くく
)
られてしまった。
小坂部姫
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
と、どなったが、もちろん
多勢
(
たぜい
)
に
無勢
(
ぶぜい
)
で、とてもかなわないと見えたし、そのうえ、じつはこのとき竹見にもいささか考えがあって、わざと相手のやりほうだいにまかせておいたのだった。
火薬船
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
何故
(
なぜ
)
早く云わん、それじゃア
狼藉者
(
ろうぜきもの
)
が忍び込み、飯島が
流石
(
さすが
)
手者
(
てしゃ
)
でも
多勢
(
たぜい
)
に
無勢
(
ぶぜい
)
、
切立
(
きりた
)
てられているのを、お前が一方を切抜けて知らせに来たのだろう、宜しい、手前は剣術は知らないが
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
多勢
(
たぜい
)
に
無勢
(
ぶぜい
)
、あたいはスタコラ逃げ出して、駕籠でここへとんできたわけだが、もう穴は埋まったに相違ねえ。ねえ小父ちゃん。お前はとっても強い人だって、丹下の父上が
始終
(
しじゅう
)
言っていたよ。
丹下左膳:03 日光の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
もし積極的に出るとすれば金の問題になる。
多勢
(
たぜい
)
に
無勢
(
ぶぜい
)
の問題になる。換言すると君が金持に頭を下げなければならんと云う事になる。衆を
恃
(
たの
)
む小供に恐れ入らなければならんと云う事になる。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
その加勢は幸いに
無勢
(
ぶぜい
)
の方へ出たのだから、見物を嬉しがらせました。
大菩薩峠:14 お銀様の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
まして
多勢
(
たぜい
)
に
無勢
(
ぶぜい
)
であるから、中間はとても反抗する力はなかった。かれは彼等のなすままにおめおめ服従して、白昼諸人のまえに生き恥を
晒
(
さら
)
すほかはなかった。
半七捕物帳:23 鬼娘
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「そりゃ結構です。いくら威張っても
多勢
(
たぜい
)
に
無勢
(
ぶぜい
)
ですからな」
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「どうもソノ、あの場合ぐずぐずしていると、こっちの部下たちが、みんな海の中に、なげこまれそうになったもんでしてナ。なにしろ
多勢
(
たぜい
)
に
無勢
(
ぶぜい
)
というやつです。そのうえ、向こうは、なかなか
手剛
(
てごわ
)
いごろつきぞろいなんです」
火薬船
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
なにをいうにも
多勢
(
たぜい
)
に
無勢
(
ぶぜい
)
ですから、こうなったら逃げるよりほかはない。異人たちは真っ蒼になって坂下の方へ逃げました。別手組も一緒に逃げました。弥次馬は
閧
(
とき
)
の声をあげて追って来る。
半七捕物帳:58 菊人形の昔
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
“無勢”の意味
《名詞》
軍勢や人数が少ないこと。
(出典:Wiktionary)
無
常用漢字
小4
部首:⽕
12画
勢
常用漢字
小5
部首:⼒
13画
“無”で始まる語句
無
無暗
無頓着
無理
無垢
無花果
無事
無聊
無造作
無慙