淺間あさま)” の例文
新字:浅間
大船おほふなはつしてしまへば最早もう國府津こふづくのをほか途中とちゆうなにることは出來できないとおもふと、淺間あさましいことには殘念ざんねんたまらない。
湯ヶ原ゆき (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
あの家の者はみんな嫌ひなのに、あの男だけは私にも憎めない。彼は弱々しい心にもいくらか愛情があつた、あの淺間あさましい妹に始終しよつちう氣を附けて世話を
覗くともなく見ると、成程たつた二室の淺間あさまな住居で、雇人などを置く場所があらうとも思はれません。
このはにないのと、淺間あさまはひでもつたやうに、その取引とりひきたるや、なか/\むづかしいさうである。
木菟俗見 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
淺間あさまけむりおほぎつゝ
日の光を浴びて (旧字旧仮名) / 水野仙子(著)
柳屋やなぎや淺間あさま住居すまひ上框あがりがまち背後うしろにして、見通みとほし四疊半よでふはん片端かたはしに、隣家となり帳合ちやうあひをする番頭ばんとう同一おなじあたりの、はしらもたれ、そでをばむねのあたりではせて、浴衣ゆかたたもと折返をりかへして
三尺角 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
淺間あさまな家で物騷なやうですが、路地の口に駕籠屋が見張つて居さへすれば、野良犬だつて滅多に入つて來やしません。——お勝手に居るのはあつしの女房で、仕事のことになると耳は節穴見たいなもので」
さて/\淺間あさましや、おや難儀なんぎおもはれる。おもてげさせろ。で、キレーすゐじつながめて
麦搗 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)