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深草
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ふかくさ
ふりがな文庫
“
深草
(
ふかくさ
)” の例文
「いよ/\以つてお前とは附き合ひたくないよ。人の女房に惚れて、
下手
(
へた
)
な碁などを打ちに通ふとは、何といふ間拔な
深草
(
ふかくさ
)
の少將だ」
銭形平次捕物控:230 艶妻伝
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
小町 あなたは
情
(
なさけ
)
を知らないのですか? わたしが今死んで御覧なさい。
深草
(
ふかくさ
)
の
少将
(
しょうしょう
)
はどうするでしょう? わたしは少将と約束しました。
二人小町
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
広い道を
横断
(
よこぎ
)
って、お千代は
竈河岸
(
へっついがし
)
の方へ曲る細い横町の五、六軒目、
深草
(
ふかくさ
)
という
灯
(
あかり
)
を出した家の格子戸を明けると、顔を見覚えていた女中が取次に出て
ひかげの花
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
それからゴーホを煮しめたとでも云ったしょうな「
深草
(
ふかくさ
)
」や、田舎芝居の
書割
(
かきわり
)
を思い出させる「
一力
(
いちりき
)
」や、これらの絵からあらを捜せばいくらもあるだろうし
帝展を見ざるの記
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
小野小町
(
おののこまち
)
という美女は、情知らずか、いい寄った、あまたの
公家衆
(
くげしゅ
)
のその中に、分けて思いも
深草
(
ふかくさ
)
の少将。
鴎外の思い出
(新字新仮名)
/
小金井喜美子
(著)
▼ もっと見る
青侍どもに担がせてその夜のうちに
深草
(
ふかくさ
)
まで持って行き、それから七日おいて、泰文のところへ、朝霞が
時疫
(
じやみ
)
で急に死んだと、実家からあらためて挨拶があった。
無月物語
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
京の
深草
(
ふかくさ
)
の雀のお宿などでは、もうわかり切っていることなのかも知れぬが、こういうのが春になると、やがてその場処を家庭にしてしまうのではないかと思う。
野草雑記・野鳥雑記:02 野鳥雑記
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
金八が或時
大阪
(
おおさか
)
へ
下
(
くだ
)
った。その途中
深草
(
ふかくさ
)
を通ると、道に一軒の古道具屋があった。そこは商買の事で、ちょっと一
ト
眼見渡すと、
時代蒔絵
(
じだいまきえ
)
の結構な
鐙
(
あぶみ
)
がチラリと眼についた。
骨董
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
男子ちゅうたら外に現われた
恰好
(
かっこ
)
ばっかりできめるのんか、そんなんやったら男子でのうてもちょっともかめへん、
深草
(
ふかくさ
)
の
元政上人
(
げんせいしょうにん
)
は男子の男子たる
印
(
しるし
)
あったら邪魔になるのんで
卍
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
或日、
天
(
そら
)
長閑
(
のどか
)
に晴れ渡り、
衣
(
ころも
)
を返す風寒からず、秋蝉の
翼
(
つばさ
)
暖
(
あたゝ
)
む
小春
(
こはる
)
の空に、瀧口そゞろに心浮かれ、常には行かぬ
桂
(
かつら
)
、
鳥羽
(
とば
)
わたり巡錫して、嵯峨とは都を隔てて
南北
(
みなみきた
)
、
深草
(
ふかくさ
)
の
邊
(
ほとり
)
に來にける。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
八月になりますと
漸
(
ようや
)
く藤ノ森や
深草
(
ふかくさ
)
のあたりに
戦
(
いくさ
)
の気配が熟してまいり、さてこそ
愈々
(
いよいよ
)
東山にも
嵯峨
(
さが
)
にも火のかかる時がめぐって来たと、わたくしどもも
私
(
ひそ
)
かに心の用意を致しておりますうち
雪の宿り
(新字新仮名)
/
神西清
(著)
「町内だけでも、
深草
(
ふかくさ
)
の少將が六七人、毎晩井筒屋のあたりをウロウロするんで氣味が惡くて叶はねえ」
銭形平次捕物控:217 歎きの幽沢
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
高物師の
深草
(
ふかくさ
)
六兵衛。浅草の奥山で生れて奥山育ち、まだ歳は若いが才走った
胆
(
きも
)
の太い男。日本じゅうを草鞋がけで走りまわって、いつもどえらい物をかつぎこんで来る。
顎十郎捕物帳:19 両国の大鯨
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
僕は世捨人になり
了
(
おほ
)
せなかつた芭蕉の矛盾を愛してゐる。同時に又その矛盾の大きかつたことも愛してゐる。さもなければ
深草
(
ふかくさ
)
の
元政
(
げんせい
)
などにも同じやうに敬意を表したかも知れぬ。
芭蕉雑記
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
八月になりますと
漸
(
ようや
)
く藤ノ森や
深草
(
ふかくさ
)
のあたりに
戦
(
いくさ
)
の気配が熟してまゐり、さてこそ
愈〻
(
いよいよ
)
東山にも
嵯峨
(
さが
)
にも火のかかる時がめぐつて来たと、わたくしどもも
私
(
ひそ
)
かに心の用意を致してをりますうち
雪の宿り
(新字旧仮名)
/
神西清
(著)
朝霞の亡骸は用意してきた
柩
(
ひつぎ
)
におさめ、青侍どもに担がせてその夜のうちに
深草
(
ふかくさ
)
へ持って行き、七日おいて、泰文のところへ、朝霞が
時疫
(
じやみ
)
で急に死んだと、あらためて挨拶があった。
無月物語
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
「
庇
(
ひさし
)
があれだけ
緩
(
ゆる
)
むには、
深草
(
ふかくさ
)
の少將ほど通はなきやなるまいな」
銭形平次捕物控:203 死人の手紙
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
使 あの人は今
身持
(
みも
)
ちだそうです。
深草
(
ふかくさ
)
の
少将
(
しょうしょう
)
の
胤
(
たね
)
とかを、……
二人小町
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
“深草”の解説
深草(ふかくさ)は、京都市伏見区の北部に位置する地名。かつて同地域には紀伊郡深草町(ふかくさちょう)が存在した。
(出典:Wikipedia)
深
常用漢字
小3
部首:⽔
11画
草
常用漢字
小1
部首:⾋
9画
“深草”で始まる語句
深草形
深草村