さみし)” の例文
さみしい、しんとした中に手拍子てびょうしそろって、コツコツコツコツと、鉄槌かなづちの音のするのは、この小屋に並んだ、一棟ひとむね同一おなじ材木納屋なやの中で、三個さんこの石屋が、石をるのである。
三尺角 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
持出て挨拶あいさつなしかうらいなるに女ばかりにてさみし折柄をりからゆゑはれるまではなし給へと取卷とりまきしかば彦兵衞は元來辯舌べんぜつよく上方かみがたの名所又は女郎屋の體等さまとう面白おもしろはなすにより老女もきように入り其許そのもとには何方に住宅すまひ致され候やと尋ねけるに私しは御近處橋本町願人ぐわんにん坊主ばうずとなり罷在まかりありて小間物商賣あきなひ致し候と云ふを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
さみしい、しんとしたなか手拍子てびやうしそろつて、コツ/\コツ/\と、鐵槌かなづちおとのするのは、この小屋こやならんだ、一棟ひとむね同一おなじ材木納屋ざいもくなやなかで、三石屋いしやが、いしるのである。
三尺角 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
「おもしろい話をお聞かせな、私もさみしいからゆっくりおし。そして、煙草たばこがなくば上げようか。」
三枚続 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
うごすかい、さあ寝られません。総鎮守の風の音が聞えますね、玉川のながれは響きますね、遠くじゃあ、ばッたんばッたん機織はたおり夜延よなべでしょう、さみしいッたらありません。
三枚続 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)