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しにみ
ふりがな文庫
“
死身
(
しにみ
)” の例文
ことによると
末世
(
まつせ
)
の我々には、
死身
(
しにみ
)
に思ひを
潜
(
ひそ
)
めた
後
(
のち
)
でも、まだ
会得
(
ゑとく
)
されない芭蕉の偉さが残つてゐるかも知れぬ位だ。
雑筆
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
女に
痴呆
(
ほう
)
けたために前後を忘れていたに過ぎないので、こうして本気になって、女にも酒にも眼を
呉
(
く
)
れず、絶体絶命の
死身
(
しにみ
)
になって稼ぎはじめると
名娼満月
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
引摺廻されたり、
羅宇
(
らう
)
のポッキリ折れたまで、そないに打擲されやして、
死身
(
しにみ
)
になって堪えなはったも、誰にした辛抱でもない、皆、美津さんのためやろな。
南地心中
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
どっちも
死身
(
しにみ
)
、組むなり火のような息を争って、秘帖を
奪
(
と
)
り返そうとする! 渡すまいとする! 組んではもつれ、伏せられては突っぱねる、一方は女、一方は
傷負
(
ておい
)
鳴門秘帖:05 剣山の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ああ祈らしめよ、祈らしめよ、
片羽
(
かたはね
)
おとして
死身
(
しにみ
)
に飛ぶ『生』の險路のまた突きやぶれるやう
展望
(旧字旧仮名)
/
福士幸次郎
(著)
▼ もっと見る
繼「私は女の口から斯ういう事を云い出すくらいだから、そんな事は有りませんよ、本当にお前さんを力に思えばこそ、
死身
(
しにみ
)
に成って、亭主と思って、お前さんの看病をしました」
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
許して下さいといふ私の
死身
(
しにみ
)
の歎願を無情にも
刎付
(
はねつ
)
けて、二度私を暗い幽靈の出る部屋に閉ぢ籠めた時に、私の心を掴んだ苦悶の
痙攣
(
けいれん
)
を
和
(
やは
)
らげる何ものも、私の記憶にはなかつたのだ。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
左膳はこの若造を
死身
(
しにみ
)
になってさがしているのだ。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
己
(
おれ
)
だって実の子だか嘘の子だか知ってるが、
堅
(
かて
)
いから槍で突殺すと云いやんしたから、是から槍で突殺された気になり、
死身
(
しにみ
)
になって奉公しやすんから、どうぞ
心配
(
しんぺい
)
しねえで下せい
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
死身
(
しにみ
)
の勇を
奮
(
ふる
)
いおこした梅雪の手は、かッと、陣刀の
柄
(
つか
)
に鳴って、あなや、
皎刀
(
こうとう
)
の
鞘
(
さや
)
ばしッて飛びくること六、七
尺
(
しゃく
)
! オオッとばかり、
武芸者
(
ぶげいしゃ
)
のまッこうのぞんで斬り下げてきた。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
死身
(
しにみ
)
になつて心を鞭つた
太陽の子
(旧字旧仮名)
/
福士幸次郎
(著)
一
町
(
ちょう
)
半
(
はん
)
ばかり、
死身
(
しにみ
)
になって
踵
(
かかと
)
をけると、こいつどこまで足が
達者
(
たっしゃ
)
に生まれた男だろう、
神馬
(
しんめ
)
草薙
(
くさなぎ
)
とほとんど
互角
(
ごかく
)
な早さで、長くのびた燕作の首と、
泡
(
あわ
)
をかんだ馬の顔が、わずか一
間
(
けん
)
か二間の
差
(
さ
)
を
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
死身
(
しにみ
)
になって、やってみます」
牢獄の花嫁
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と、お米が
死身
(
しにみ
)
で声を揚げた。
鳴門秘帖:01 上方の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
死
常用漢字
小3
部首:⽍
6画
身
常用漢字
小3
部首:⾝
7画
“死”で始まる語句
死
死骸
死人
死屍
死際
死霊
死去
死亡
死様
死別