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ふもんぼん
ふりがな文庫
“
普門品
(
ふもんぼん
)” の例文
拙者
未
(
いま
)
だ観音経は読み申さず候えども、法華経第二十五の巻
普門品
(
ふもんぼん
)
と申す篇に、
悉
(
ことごと
)
く観音力と申す事尊大に陳べてこれ有り候。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
……けれどまた、そうした毎日にも、
普門品
(
ふもんぼん
)
の
読誦
(
どくじゅ
)
は欠かし給わず、日に百遍の念仏は怠らず、月々三島明神の参拝もお忘れなどあられた
例
(
ためし
)
はない
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そのむかし芭蕉は頭陀袋に杜詩と山家集と
普門品
(
ふもんぼん
)
とを入れてゐたさうだが、素行は支那人や観音様に会つても、むつかしい話の
仕様
(
しやう
)
を知らなかつたから
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
化身即捨身即観世音であることは
普門品
(
ふもんぼん
)
をみるとき明らかであろう。したがって苦悩の表情は当然予想される。
大和古寺風物誌
(新字新仮名)
/
亀井勝一郎
(著)
彼女は千枝松が毎晩誘いに来るのを楽しんで待っていた。千枝松もきっと約束の時刻をたがえずに来て、二人は聞き覚えの
普門品
(
ふもんぼん
)
を
誦
(
ず
)
しながら清水へかよった。
玉藻の前
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
▼ もっと見る
と、折しも本堂では、老僧の声で物も哀れに
普門品
(
ふもんぼん
)
を読誦しつつ、
勤行
(
ごんぎょう
)
の
鉦
(
かね
)
の
音
(
ね
)
が寂しくきこえて来ます。
艶容万年若衆
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
それにわたしの母が熱心な仏教信者で
普門品
(
ふもんぼん
)
などを誦しているうちに、今では全部覚えてしまいました。だからと言ってわたしは、他人に信心を強いることはない。
芸術三昧即信仰:生きることに悶えた四十代
(新字新仮名)
/
上村松園
(著)
満廷の朝臣たちが
戦
(
おのゝ
)
き恐れ、或は板敷の下に
這
(
は
)
い入り、或は
唐櫃
(
からびつ
)
の底に隠れ、或は畳を
担
(
かつ
)
いで泣き、或は
普門品
(
ふもんぼん
)
を
誦
(
ず
)
しなどする中で、時平がひとり
毅然
(
きぜん
)
として剣を抜き放ち
少将滋幹の母
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
普門品
(
ふもんぼん
)
、大悲の
誓願
(
ちかい
)
を祈念して、下枝は気息
奄々
(
えんえん
)
と、
無何有
(
むかう
)
の里に入りつつも、
刀尋段々壊
(
とうじんだんだんね
)
と唱うる時、得三は白刃を取直し、電光
胸前
(
むなさき
)
に
閃
(
きらめ
)
き来りぬ。この景この時、室外に声あり。
活人形
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
仏身より
摩睺羅伽
(
まごらか
)
まで、三十三身に
現
(
げん
)
じたまい、天人、人間、禽獣まで、
解脱
(
げだつ
)
せしめたもう観世音菩薩の、観世音菩薩
普門品
(
ふもんぼん
)
を、血書きして今日で二十一日、写経は完成と思ったに
あさひの鎧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
そこでその頃の人だから、神仏に祈願を籠めたのであるが、
観音
(
かんのん
)
か何かに祈るというなら
普門品
(
ふもんぼん
)
の
誓
(
ちかい
)
によって好い子を授けられそうなところを、勝元は妙なところへ願を掛けた。何に掛けたか。
魔法修行者
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
そのうつろな眼を以てしきりに、もっともっととせがむような気がしますものですから、そこで弁信は
容
(
かたち
)
を改めて、妙法蓮華経観世音菩薩
普門品
(
ふもんぼん
)
第二十五を、最初から高らかに
誦
(
ず
)
しはじめました。
大菩薩峠:26 めいろの巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
着
(
ちやく
)
し
本繩
(
ほんなは
)
に掛り
襟
(
えり
)
には
水晶
(
すゐしやう
)
の
珠數
(
ずず
)
を掛け馬に
騎
(
の
)
りて口に
法華經
(
ほけきやう
)
普門品
(
ふもんぼん
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「さいぜんから見ていたが、一人の客へは、
普門品
(
ふもんぼん
)
の一句へ、
紅筆
(
べにふで
)
で
蓮華散
(
れんげち
)
らしを描いて与え、老婆の客へは、
空也和讃
(
くうやわさん
)
の一章を、
葦手
(
あしで
)
書きにしてやったではないか」
私本太平記:03 みなかみ帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
よんどころなしにあの川べりへ持って行って
普門品
(
ふもんぼん
)
を
唱
(
とな
)
えて沈めて来た。となりの婆どのは丁度そこへ通りあわせて、わたしが髑髏を押し頂いているところを見たのであろう。
玉藻の前
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
半瓦と並んだお杉は、
袂
(
たもと
)
から、
数珠
(
ずず
)
をとり出し、もう無想になって、
普門品
(
ふもんぼん
)
を
称
(
とな
)
えていた。
宮本武蔵:06 空の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
普
常用漢字
中学
部首:⽇
12画
門
常用漢字
小2
部首:⾨
8画
品
常用漢字
小3
部首:⼝
9画
“普門品”で始まる語句
普門品念彼偈