方便てだて)” の例文
愛語とは、慈愛のこもった言語ことばをもって、他人によびかけることです。利行とは、善巧な方便てだてをめぐらして、他人の生命をつちか行為おこないです。
般若心経講義 (新字新仮名) / 高神覚昇(著)
何の顏さげて人にいはれん然れば其時ぬるより外に方便てだても無き身なればおそかれ早かれ死ぬ此身とても死ぬなら今日只今長庵方へ押掛ゆきいのち
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
村人方便てだてして母馬が啖わぬうち、切り取って方士に売る。母馬これを嗅げば発狂するという。
あらゆる防水ぼうすい方便てだてつくされたが、微塵みぢん打碎うちくだかれたる屹水下きつすいかからは海潮かいてうたきごとほとばしりつて、その近傍きんぼうにはこと出來できない。十だい喞筒ポンプは、全力ぜんりよくみづ吐出はきだしてるがなん效能こうのうもない。
ヂュリ いゝえ/\、それを中止やめにする方便てだていなら、いたなぞとおッしゃるな。おまへ智慧ちえにもあたはぬなら、ついわし覺悟かくごをば分別ふんべつぢゃとめてくだされ、すればこの懷劒くわいけん今直いますぐ敢行してのけう。
ジエンナロ。さて/\狡猾なる事を言ふものかな。女をくどく方便てだてのみはわれ汝に優れりと覺えつるに、今は汝又我をしのがんとす。女主人。否々、御身は金をこそ持ち給へれ、心ざま善ならぬ人なり。
方便てだてとていつはり事を知りながら
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
「摂」とは摂受しょうじゅの意味で、つまり和光同塵どうじん、光をやわらげてちりに同ずること、すなわち一切の人たちをおさめとって、菩薩の大道に入らしめる、善巧たくみな四つの方便てだてが四摂法です。
般若心経講義 (新字新仮名) / 高神覚昇(著)
物語り方便てだてを以て尋ねんものと其日はすご/\立歸たちかへりぬ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
誠こそ手段てだてのなかの方便てだてなれ
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
たね方便てだても信実こそとれ
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)