批評ひひょう)” の例文
男の子たちがこんなふうに批評ひひょうしている一方いっぽうでは、女の子はまた女の子らしく、少しちがった見方で、話がはずみだしている。
二十四の瞳 (新字新仮名) / 壺井栄(著)
すなわちここの市長しちょうならび町会議員ちょうかいぎいんみな生物知なまものしりの町人ちょうにんである、であるから医師いしることは神官しんかんごとく、そのところ批評ひひょうせずしてしんじている。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
しかし、真実しんじつのない批評ひひょうとか、よりどころのないうわさなどというものの、無価値むかちのことが、じきわかるときがきました。
ひすいの玉 (新字新仮名) / 小川未明(著)
従古いにしえより当路者とうろしゃ古今一世之人物にあらざれば、衆賢之しゅうけんの批評ひひょうに当る者あらず。不計はからず拙老せつろう先年之行為こういに於て御議論ごぎろん数百言すうひゃくげん御指摘ごしてき、実に慙愧ざんきに不[ママ]ず、御深志かたじけなくぞんじそうろう
無邪気むじゃきだったとも、言えますが、ぼくにしてみれば、彼が、あなた達、女子選手をいかにも、中性の化物らしく批評ひひょうし、「熊本や、内田の奴等やつらがなア」 と二言目には、あなた達が
オリンポスの果実 (新字新仮名) / 田中英光(著)
二、三ヵ月てばそろそろ悪口が始まり、四、五年の後には犯罪者はんざいしゃのごとき批評ひひょうを受けるであろう。しかしてまたその後にいたり相当の位地に帰るであろう。そのサイクル(循環期じゅんかんき)は十年は出ない。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
僕はとうとう口をすべらし、こんな批評ひひょうを加えてしまった。
(新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
ひとりひとりがめいめいに批評ひひょうしながら小ツルの手に渡ったあと、小ツルは迷うことなくそれを磯吉にまわした。
二十四の瞳 (新字新仮名) / 壺井栄(著)
まち新聞しんぶんは、またしろかげ科学的かがくてき批評ひひょうをしていました。ある理学士りがくしは、しろおとこのようにえたのは、水蒸気すいじょうきのどうかした具合ぐあいで、人間にんげんかたちえたのであろう。
白い影 (新字新仮名) / 小川未明(著)
こんな、批評ひひょうをしながら、ぎかけたが、そのなか一人ひとりが、ちょっとちどまって、カンバスをのぞきました。すると、のものも、いっしょにちどまりました。
托児所のある村 (新字新仮名) / 小川未明(著)
人々ひとびとは、看板かんばんを、さながらきている人間にんげん批評ひひょうするように、とりどりにうわさをしたのでした。
生きている看板 (新字新仮名) / 小川未明(著)