打過うちす)” の例文
われ生来多病なりしかどその頃は腹痛む事稀なりしかば八重がしきりにかの草の効験ききめあること語出かたりいでても更に心にむる事もなくて打過うちすぎぬ。
矢はずぐさ (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
なまじ所帶持しよたいもちだなぞとおもふからよくます。かの彌次郎やじらうめる……いかい——めしもまだはず、ぬまずを打過うちすぎてひもじきはら宿しゆくにつきけりと、もう——つつけ沼津ぬまづだ。
雨ふり (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
させさらばとて西濱の港より友綱ともつなとき順風じゆんぷう眞帆まほ十分に引上ひきあげ走らせけるにぞ矢をる如く早くも中國四國の内海ないかい打過うちすぎ晝夜の差別さべつなくはしり晦日みそかの夜のこくごろとは成れり船頭せんどう杢右衞門はやうや日和ひより
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
へばえにのみ打過うちすぎて
白羊宮 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫薄田淳介(著)
妻子へ下し置れ候むね其節そのせつおほせ渡され候と申立ければ越前守殿御聞有て成程其調べの儀は此越前守が取調べても其通そのとほりなり然るに忠兵衞と申者八箇年打過うちす只今たゞいまと成て右樣の儀申出ると言ふは何ぞ忠兵衞が右長庵に遺恨ゐこんにても是ある事にはあらざるか何ともあやしき證據人なり八箇年以前同役が調しらべのせつかみ然樣さやうの不吟味は
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)