手内職てないしょく)” の例文
せがれは、たび奉公ほうこうにやられて、女房にょうぼうは、主人しゅじん留守るすうちでいろいろな仕事しごとをしたり、手内職てないしょく封筒ふうとうったりしていたのでした。
お化けとまちがえた話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
その起因おこりは大工であったお糸の父親がまだ生きていたころから母親おふくろ手内職てないしょくにと針仕事をしていたが
すみだ川 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
年年ものがりなくなるばかり、ある年の冬には、もう手まわりの道具や衣類いるいまで売って、手に入れたおかねも、手内職てないしょくなんかして、わずかばかりかせぎためたおかねも、きれいにつかってしまって
ジャックと豆の木 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
母親ははおやは、手内職てないしょくをしたり、よそへやとわれていったりして親子おやこらしていた。おれは、小学校しょうがっこうをおえると、まち乾物屋かんぶつや奉公ほうこうされた。
さか立ち小僧さん (新字新仮名) / 小川未明(著)
小田おだのおとうさんは、もうんでしまって、ありませんでした。ひとりおかあさんが、手内職てないしょくをして、母子おやこは、その、そのまずしい生活せいかつをつづけていました。
笑わなかった少年 (新字新仮名) / 小川未明(著)
あるまんは、した学校がっこう復習ふくしゅうをしていました。はは眼鏡めがねをかけて、手内職てないしょくはりをつづけていました。まどそとでは、雨気うきをふくんだかぜが、はげしくいています。
万の死 (新字新仮名) / 小川未明(著)