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懇請
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こんせい
ふりがな文庫
“
懇請
(
こんせい
)” の例文
その一方、大学に
懇請
(
こんせい
)
して、
火口底
(
かこうてい
)
に果してラジウム二百
瓦
(
グラム
)
が投げこまれてあるのかどうかを
検
(
しら
)
べて貰った。これは案外苦もなく分った。
鞄らしくない鞄
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
次
(
つぎ
)
の
日
(
ひ
)
に
漸
(
やうや
)
く
主人
(
しゆじん
)
は
歸
(
かへ
)
つた。
巡査
(
じゆんさ
)
へ
噺
(
はなし
)
をして
見
(
み
)
たが
其
(
そ
)
の
時
(
とき
)
はもう
被害者
(
ひがいしや
)
からの
申報書
(
しんぱうしよ
)
が
分署
(
ぶんしよ
)
へ
提出
(
ていしゆつ
)
されてあつたので
更
(
さら
)
に
分署長
(
ぶんしよちやう
)
へ
懇請
(
こんせい
)
して
見
(
み
)
た。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
数日過ぎると、溝口伊予は再び仙石家を訪れて来て、どうしても自斎を断念しきれない主人丹後守の
懇請
(
こんせい
)
を告げた。
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
差当
(
さしあた
)
りこの病を医すべき適切なる
薬餌
(
やくじ
)
を得、なお引続き
滞岳
(
たいがく
)
して加養せんことを
懇請
(
こんせい
)
したれども、
聴
(
き
)
かれざりしかば、再挙の保証として大に
冀望
(
きぼう
)
する所あり
寒中滞岳記:(十月一日より十二月廿一日に至る八十二日間)
(新字新仮名)
/
野中至
(著)
脇坂
(
わきざか
)
部隊の戦傷勇士佐伯軍曹が、本町有志の熱心な
懇請
(
こんせい
)
によって、今日午後一時から処女会の講堂で実戦談を行なわれることになったというビラがはりだしてあった。
キャラコさん:03 蘆と木笛
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
▼ もっと見る
アルサスの小さな町から狂犬に
咬
(
か
)
まれたという九歳の子供が母親に伴なわれてパリに出て来て、その母親からパストゥールに治療を
懇請
(
こんせい
)
したという偶然の機会がめぐって来ました。
ルイ・パストゥール
(新字新仮名)
/
石原純
(著)
そして特に小半次に
懇請
(
こんせい
)
されて、その晩は泊るつもりの八五郎と、たつた七人だけになつた時、主人丹右衞門が世にも不思議な手段で慘殺されるといふ、大變な騷ぎが起つたのでした。
銭形平次捕物控:209 浮世絵の女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
で前の晩は、諸鳥歓喜充満せりまで、文の如くに講じたが、
此
(
こ
)
の席はその次じゃ。則ち説いて曰くと、これは疾翔大力さまが、
爾迦夷
(
るかい
)
上人
(
しょうにん
)
のご
懇請
(
こんせい
)
によって、直ちに説法をなされたと
斯
(
こ
)
うじゃ。
二十六夜
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
その
懇請
(
こんせい
)
に耳を貸しながら、かげでこっそり贈り物を
覗
(
のぞ
)
いてみて、鰹節一連とはもってのほかだ、と
俄
(
にわ
)
かに態度を一変して底意地のわるさをムキ出しにするなぞということが考えられるであろうか。
本所松坂町
(新字新仮名)
/
尾崎士郎
(著)
第三は、いわは中間派で、情理をつくして留任を
懇請
(
こんせい
)
し、それがしりぞけられた場合にはストライキもやむを得ない、という意見であった。この意見の主張者は、とくにきまった顔ぶれではなかった。
次郎物語:04 第四部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
法力の試みを
懇請
(
こんせい
)
するほかに智慧の浮かぶゆとりはなかった。
閑山
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
○末次君
探幽
(
たんゆう
)
菊寿童
(
きくじゅどう
)
の事。(
懇請
(
こんせい
)
)
ガラマサどん
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
と、ついに王進も、父子の
懇請
(
こんせい
)
を
容
(
い
)
れて、その日の出立を見合せ、あらためて、師弟の約を、ここに結んだ。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
最初は、断っておられたが、
懇請
(
こんせい
)
もだし難く、光秀様も遂に
廬
(
ろ
)
を出で、朝倉家に随身なさる事になった。
茶漬三略
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
もちろん、すでに大坂表からも、秀吉の名をもって再三、景勝に
懇請
(
こんせい
)
が来ていたのである。
新書太閤記:11 第十一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
殊に、弁次郎幸村が、秀吉の意をうごかそうとして、若い情熱を
耳朶
(
じだ
)
に染めながら、
怯
(
ひる
)
みなく自己の意見と、
懇請
(
こんせい
)
とを述べるあいだ、秀吉は、聞き惚れるように、眼をほそめた。
新書太閤記:11 第十一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
懇
常用漢字
中学
部首:⼼
17画
請
常用漢字
中学
部首:⾔
15画
“懇”で始まる語句
懇
懇意
懇々
懇望
懇願
懇切
懇篤
懇談
懇親
懇親会