-
トップ
>
-
申報書
次の
日に
漸く
主人は
歸つた。
巡査へ
噺をして
見たが
其の
時はもう
被害者からの
申報書が
分署へ
提出されてあつたので
更に
分署長へ
懇請して
見た。
巡査は
午後に
申報書の
印を
取りに
來て
勘次の
家へ
行つて
見た。
勘次は
何處へ
行つたと
巡査に
聞かれておつぎは
只知らないといつた。さうして
巡査の
後姿が
垣根を
出た
時竊に
泣いた。
「もう
解つたから、それぢや
自分の
仕事をするがいい、
後にわしが
申報書を
拵へて
來て
遣るから、それへ
印形を
捺せばそれで
手續は
濟むんだからな」
巡査はさういつてさうして
被害者が