トップ
>
意久地
>
いくじ
ふりがな文庫
“
意久地
(
いくじ
)” の例文
何よりも寒さに対しては
意久地
(
いくじ
)
のないEはどんな格好をして座つてゐるだらう。龍子は
頻
(
しき
)
りに、此度はEの体が心配になり出した。
監獄挿話 面会人控所
(新字旧仮名)
/
伊藤野枝
(著)
私達は随分、ロスケは
意久地
(
いくじ
)
ないなぁと思った。銃も剣もとりあげられて、それでニコニコしている。私は何だか不思議に思えた。
戦争雑記
(新字新仮名)
/
徳永直
(著)
然
(
しか
)
るに中には妻を働かせるのをなんだか夫自身に
意久地
(
いくじ
)
がないかに思ったり、思われたりするのを非常に恥辱として反対するものもあり
夫婦共稼ぎと女子の学問
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
今や僕の力は全く悪運の鬼に
挫
(
ひし
)
がれて了いました。自殺の力もなく、自滅を待つほどの
意久地
(
いくじ
)
のないものと成り
果
(
はて
)
て居るのです。
運命論者
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
「あんな事で、もう、わかれてしまうなんて、あの子も、
意久地
(
いくじ
)
が無いね。ちょっと、べっぴんさんじゃないか。あのくらいの器量なら、……」
グッド・バイ
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
▼ もっと見る
「私が
意久地
(
いくじ
)
が無いからなんですよ。阿父が亡くなつたからツて、此様に
窮
(
こま
)
らなくツても可い譯なんですがね。」
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
「ワハハハハハ。いつも
意久地
(
いくじ
)
の無い奴だ。じゃあヒョロ子、お前はどうしたんだ。やっぱり腰が抜けたのか」
豚吉とヒョロ子
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
三鳥山人
(著)
「何で足ばかり、ばたばたやってるんだ。大丈夫だから、うんと踏ん張って立ちねえな。
意久地
(
いくじ
)
のねえ」
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
人並に血気は
壮
(
さかん
)
だったから、我より先に生れた者が、十年二十年世の塩を踏むと、百人が九十九人まで、
皆
(
みんな
)
じめじめと
所帯染
(
しょたいじ
)
みて了うのを見て、
意久地
(
いくじ
)
の無い奴等だ。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
意久地
(
いくじ
)
なしめ、痩せてやがら。ホントに手前はいつまでも強い犬でいねえと、おいらが承知しねえぞ。遠吠え専門の痩犬は何万匹あろうとも、ほんとうに強い犬というのを
大菩薩峠:21 無明の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「もう何にもいらない。久振りで飲むとカラ
意久地
(
いくじ
)
がない。帰れなくなると大変だ。」
つゆのあとさき
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
「あの子は駄目よ。
意久地
(
いくじ
)
が無くって。」
上海
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
それから少し
蜘蹰
(
ちちゅう
)
していると、あれは
意久地
(
いくじ
)
がないといい、たまたま少しやり損なうと
直
(
す
)
ぐにこれを責める。なかなかむずかしいものである。
政治趣味の涵養
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
一、夫婦喧嘩のときには、私は出来るだけ何時でも、強情を張ります、男はさう云ふ場合には
意久地
(
いくじ
)
のないものです。
夫婦喧嘩の功過と責任の所在(アンケート回答)
(新字旧仮名)
/
伊藤野枝
(著)
その実案外
意久地
(
いくじ
)
のない男かしらと思う場合もあるが、それは一文なしになって困り
抜
(
ぬい
)
た時などで、そう思うと
情
(
なさけ
)
なくなるからなるべくそれは自分で打消していたのである。
竹の木戸
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
或は苦労が
上辷
(
うわすべ
)
りをして心に
浸
(
し
)
みないように、
何時迄
(
いつまで
)
も
稚気
(
おさなぎ
)
の失せぬお坊さん
質
(
だち
)
の人もあるが、大抵は皆私のように苦労に
負
(
め
)
げて、年よりは老込んで、
意久地
(
いくじ
)
なく
所帯染
(
しょたいじ
)
みて了い
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
そのまま
意久地
(
いくじ
)
なくその場に
蹲踞
(
しゃが
)
んでしまうと、どうしても立上ることができない。
にぎり飯
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
身体中に
刺
(
とげ
)
を生やしたり、近まわりの者に色や形を似通わせたり、
甲羅
(
こうら
)
を
被
(
かぶ
)
ったり毒を吹いたりしているが、あんな
片輪
(
かたわ
)
じみた、卑怯な、
意久地
(
いくじ
)
のない真似をしなくとも、もっと正しい、
囚
(
とら
)
われない
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
果して自殺の真の原因が新聞紙の伝へるやうに目的をはゞまれたと云ふことゝすれば松子と云ふ女は小心な
意久地
(
いくじ
)
のない女だと云はなければならない。
女絵師毒絵具を仰ぐ:(三面記事評論)
(新字旧仮名)
/
伊藤野枝
(著)
しかし、しまいには
愛想
(
あいそ
)
が尽きるだろう。あんまり男に
意久地
(
いくじ
)
がなさすぎると……。ねえ、玉ちゃん。あの時分、あんたが家にいる時分、何かそんな話をした事はなかったかね。
内
(
うち
)
のお千代がさ。
ひかげの花
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
何人も犯すことの出来ない体や精神をもつてゐながらそれで他人の都合や他人のためにその体や精神をむざ/\と
委
(
まか
)
してしまふのは
意久地
(
いくじ
)
がないと云ふよりは
寧
(
むし
)
ろ生れた
従妹に
(新字旧仮名)
/
伊藤野枝
(著)
「今話したじゃねえか。
日魯
(
にちろ
)
の大戦争よ。
満洲
(
まんしゅう
)
じゃねえか。」と言って、爺さんは
禿頭
(
はげあたま
)
から滑り落ちそうになる鉢巻の手拭を
締直
(
しめなお
)
したが、「ええと。何年前だったろう。おれももう
意久地
(
いくじ
)
がねえや。」
勲章
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
彼女はその自身の忍従に対して
染々
(
しみじみ
)
とひとりで涙ぐみながら、その気持をいとほしんでゐることもあり、また或る時は、自分のその
意久地
(
いくじ
)
なしに焦れてゐることもあつた。
乞食の名誉
(新字旧仮名)
/
伊藤野枝
(著)
彼女自身で云ふ通りに、私は彼女を臆病だとも、卑怯だとも、
意久地
(
いくじ
)
なしだとも思ひます。
背負ひ切れぬ重荷
(新字旧仮名)
/
伊藤野枝
(著)
本当に何時もながら自分の
意久地
(
いくじ
)
なしが情けなくなつてまゐります。
編輯だより:(一九一五年九月号)
(新字旧仮名)
/
伊藤野枝
(著)
阿呆
(
あほう
)
、ぐず、のろま、
意久地
(
いくじ
)
なしは云ふに及ばず、気取り屋、おしやべり、臆病、卑怯、未練、ケチンボ、コセツキ屋、悧巧者、ひとりよがり、逆上家、やきもち屋、愚痴こぼし、お世辞屋、偽善者
サニンの態度
(新字旧仮名)
/
伊藤野枝
(著)
考へて見ますと、私も本当に
意久地
(
いくじ
)
がなかつたのですね。
書簡 大杉栄宛:(一九一六年五月三日)
(新字旧仮名)
/
伊藤野枝
(著)
そして、私はさう云ふ人を
意久地
(
いくじ
)
なしと云ひます。
内気な娘とお転婆娘
(新字旧仮名)
/
伊藤野枝
(著)
意
常用漢字
小3
部首:⼼
13画
久
常用漢字
小5
部首:⼃
3画
地
常用漢字
小2
部首:⼟
6画
“意久地”で始まる語句
意久地無