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怒髪
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どはつ
ふりがな文庫
“
怒髪
(
どはつ
)” の例文
旧字:
怒髮
どうかふだんの君のやうに、
怒髪
(
どはつ
)
を天に
朝
(
てう
)
せしめると同時に、内心は君の放つた矢は確かに手答へのあつたことを満足に思つてくれ給へ。
解嘲
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
老いの涙を垂らしていう
謝
(
しゃ
)
執事の言に、嘘があろうとは思えない。
怒髪
(
どはつ
)
天を
衝
(
つ
)
く、とはまさにこれを耳にしたときの彼の形相といってよい。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
しかも書生が放吟し剣舞し、快と呼び壮と呼び、彼らをして
怒髪
(
どはつ
)
天を
衝
(
つ
)
かしむる者は、西郷・雲井らの詩ならざるべからず。
人々に答ふ
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
そこに映る自分の姿をみると、例のとおり
怒髪
(
どはつ
)
天
(
てん
)
をつき、髭は鼻の下をがっちりと固めているという勇ましい有様だった。
不思議なる空間断層
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
聞込みの筋とは何ぞ。血気の先生は、
怒髪
(
どはつ
)
天を
衝
(
つ
)
けり、血気の門人は激昂して、藩政の当途者に迫り、その罪名を
質
(
ただ
)
さんとせり。またこれ一種の保安条例のみ。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
▼ もっと見る
異教徒席の中から
赭
(
あか
)
い
髪
(
かみ
)
を立てた
肥
(
ふと
)
った
丈
(
たけ
)
の高い人が東洋風に形容しましたら正に
怒髪
(
どはつ
)
天を
衝
(
つ
)
くという風で
大股
(
おおまた
)
に祭壇に上って行きました。私たちは
寛大
(
かんだい
)
に拍手しました。
ビジテリアン大祭
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
なんでも出来ると思う、
精神一到
(
せいしんいっとう
)
何事
(
なにごとか
)
不成
(
ならざらん
)
というような事を、事実と思っている。意気天を
衝
(
つ
)
く。
怒髪
(
どはつ
)
天をつく。
炳
(
へい
)
として
日月
(
じつげつ
)
云々
(
うんぬん
)
という如き、こういう
詞
(
ことば
)
を古人は
盛
(
さかん
)
に用いた。
教育と文芸
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
それは真に
怒髪
(
どはつ
)
天を
衝
(
つ
)
くといった形相だった。
冥土行進曲
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
怒髪
(
どはつ
)
して退屈男が呼び叫びました。
旗本退屈男:03 第三話 後の旗本退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
ことごとく
怒髪
(
どはつ
)
天を
衝
(
つ
)
きました。
大菩薩峠:35 胆吹の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
怒髪
(
どはつ
)
をさかだてて、ふたたび太刀を持ちなおすと、またブーンとかれの小手へあたった第二の
礫
(
つぶて
)
。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
成政は、
怒髪
(
どはつ
)
天をついて、また、小兵衛を
罵
(
ののし
)
った。そして、自身の不覚を、
転嫁
(
てんか
)
して
新書太閤記:11 第十一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
この宴席からいくらも隔ててない壁の外、木蔭、床下など、
悉
(
ことごと
)
く柴田の手により剣槍飛弓が
匿
(
かく
)
されているのではあるまいか。そして
執
(
しつ
)
こく秀吉の
怒髪
(
どはつ
)
を誘っているのではなかろうか。
新書太閤記:08 第八分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
怒髪
(
どはつ
)
天
(
てん
)
をつくという形容は火中の彼の
形相
(
ぎょうそう
)
そのままであったろうと思われる。
平の将門
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
このさまを見ていた張飛は、
怒髪
(
どはつ
)
天をつき、馬を走らせて張郃に迫った。張郃は味をしめ、張飛としばしわたり合っては、逃げて誘おうとしたが、今度はこの計略もきかず、追ってこない。
三国志:09 図南の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
一ぶ
一什
(
しじゅう
)
を聞くと、ついに李応も
怒髪
(
どはつ
)
を逆立てて言った。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
費耀は、一目見るや、
怒髪
(
どはつ
)
をついて、遠くから罵った。
三国志:11 五丈原の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
聞くと、黄信は馬の鞍ツボに立って、
怒髪
(
どはつ
)
を
衝
(
つ
)
いた。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
諸葛匹夫
(
しょかつひっぷ
)
、何者ぞ」と、
怒髪
(
どはつ
)
をたてて罵った。
三国志:07 赤壁の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“怒髪”の意味
《名詞》
怒りのあまりに逆立った毛髪。
(出典:Wiktionary)
怒
常用漢字
中学
部首:⼼
9画
髪
常用漢字
中学
部首:⾽
14画
“怒”で始まる語句
怒
怒鳴
怒濤
怒号
怒罵
怒気
怒涛
怒声
怒色
怒氣