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張番
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はりばん
ふりがな文庫
“
張番
(
はりばん
)” の例文
「なあ、波越。なんだってこんな
真夜半
(
まよなか
)
、
蝋人形
(
ろうにんぎょう
)
の
張番
(
はりばん
)
をさせるのだろう。
羅門塔十郎
(
らもんとうじゅうろう
)
も時々、奇功に
逸
(
はや
)
って、分らない指図をするぜ」
牢獄の花嫁
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
こうは言いながらも、ともかくもそれを実験するために、父はひと晩眠らずに
張番
(
はりばん
)
していた。それには八月だから都合がいい。
穴
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
が、彼の目は自動車にそそがれるよりも、警察署の表口と裏口あたりにそそがれる方がひんぱんであった。どうしても
張番
(
はりばん
)
をしているとしか見えない。
爆薬の花籠
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
みんなは元の小門へ出て、学生たちの
張番
(
はりばん
)
しているのと一緒になり、無事に古城から逃れ出ることが出来た。
奇巌城:アルセーヌ・ルパン
(新字新仮名)
/
モーリス・ルブラン
(著)
人を
可哀
(
かわい
)
いとも思わなければ、憎いとも思わないでいるのね。
鼠
(
ねずみ
)
の穴の前に
張番
(
はりばん
)
をしている
鸛
(
こうづる
)
のように動かずにいるのね。お前さんには自分の獲ものを引きずり出すことも出来ない。
一人舞台
(新字新仮名)
/
アウグスト・ストリンドベリ
(著)
▼ もっと見る
殿様の大切にして入らっしゃるものをむしゃ/\喰っていますから、
私
(
わたくし
)
は夜通し
此処
(
こゝ
)
に
張番
(
はりばん
)
をしています、
此所
(
こゝ
)
に下駄が脱いでありますから、何でも人間が這入ったに違いはありません
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
一日有隣舎の諸生が益斎先生の蔵書を庭上に
曝
(
さら
)
して、春濤にその
張番
(
はりばん
)
をさせたことがあった。春濤は番をしながらも
頻
(
しきり
)
に詩を苦吟していたので、
驟雨
(
しゅうう
)
の
灑
(
そそ
)
ぎ来るのにも気がつかなかった。
下谷叢話
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
最初の二晩はおれも十一時
頃
(
ごろ
)
まで
張番
(
はりばん
)
をしたが、赤シャツの
影
(
かげ
)
も見えない。三日目には九時から十時半まで覗いたがやはり駄目だ。駄目を
踏
(
ふ
)
んで夜なかに下宿へ帰るほど馬鹿気た事はない。
坊っちゃん
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
が、表へ出て見ると湯屋の角の交番で
飛白
(
かすり
)
の羽織の尾行が
張番
(
はりばん
)
をしていた。
最後の大杉
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
石子、渡辺両刑事はじっと外に
張番
(
はりばん
)
をしていた。
支倉事件
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
おい、お前、ここで
張番
(
はりばん
)
を
でたらめ経
(新字新仮名)
/
宇野浩二
(著)
で、その怪しい死体を一室にかつぎ込んで、今井副官殿と、安村中尉殿と、本人の向田大尉殿とが厳重に
張番
(
はりばん
)
して、ともかくも夜の明けるのを待っていたのです。
火薬庫
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
誰か外から、こっちをうかがっている者はいないかと思ったのであるが、外には、
張番
(
はりばん
)
の水夫が二人、とつぜん現れた帆村の方を、びっくりしてふりかえったばかりだった。
爆薬の花籠
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
外にまで
張番
(
はりばん
)
を付けておくとは、まるでこの万太郎という者を
囚人
(
めしゅうど
)
あつかいだ。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
幸徳秋水の
家
(
いへ
)
の
前
(
まへ
)
と
後
(
うしろ
)
に巡査が二三人
宛
(
づゝ
)
昼夜
張番
(
はりばん
)
をしてゐる。一時は
天幕
(
てんと
)
を張つて、其
中
(
なか
)
から
覗
(
ねら
)
つてゐた。秋水が外出すると、巡査が
後
(
あと
)
を付ける。万一見失ひでもしやうものなら非常な事件になる。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
「なア、三坊、お祖父さんと一緒に、日本の敵のやってくるのを
張番
(
はりばん
)
してやろうな」
空襲葬送曲
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
窟の入口には落葉を焚いて、一人の警部と二人の巡査が
張番
(
はりばん
)
していた。重太郎や𤢖が
何時
(
なんどき
)
旧巣
(
ふるす
)
へ帰って来るかも知れぬので、
過日来
(
かじつらい
)
昼夜交代で網を張っているのである。塚田巡査は挨拶した。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
店先で
張番
(
はりばん
)
していた王婆のやつが、何としても寄せつけない。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「ついでに、この
牝豚
(
めすぶた
)
の
張番
(
はりばん
)
もお願いしますよ」
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
張
常用漢字
小5
部首:⼸
11画
番
常用漢字
小2
部首:⽥
12画
“張”で始まる語句
張
張合
張子
張遼
張飛
張本
張作霖
張郃
張店
張上