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底冷
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そこび
ふりがな文庫
“
底冷
(
そこび
)” の例文
若し遊覧のためなら、何もわざ/\特別に
底冷
(
そこび
)
えがすると言はれてゐる京都の冬を見舞ふ理由はなかつた。しかし京都の冬は思つたより好かつた。
閾
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
「好いところさ。東京市内には
迚
(
とて
)
もこんなところはない。しかし
厭
(
いや
)
に寒いね。京都は
底冷
(
そこび
)
えがするといったが
真正
(
ほんとう
)
だ」
ぐうたら道中記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
季節
(
きせつ
)
が、
冬
(
ふゆ
)
から
春
(
はる
)
に
移
(
うつ
)
りゆく
時分
(
じぶん
)
には、よくこんなような
静
(
しず
)
かな、そして、
底冷
(
そこび
)
えのする
晩
(
ばん
)
があるものですが、その
夜
(
よる
)
は、まさしくそんな
夜
(
よる
)
でありました。
火事
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
けたたましく自動車の鳴り
爆
(
は
)
ぜる音、
咽喉太
(
のどぶと
)
の唸り笛さへ
凝
(
こ
)
り霜の
夜凝
(
よご
)
りに冴えて、はた、ましぐらに
何処
(
いづく
)
へか駈け去りぬ。
底冷
(
そこび
)
えの戸の隙間風、さるにても明け近からし。
観想の時:――長歌体詩篇二十一――
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
こちらの
世界
(
せかい
)
では、どんな
山坂
(
やまさか
)
を
登
(
のぼ
)
り
降
(
くだ
)
りしても
格別
(
かくべつ
)
疲労
(
ひろう
)
は
感
(
かん
)
じませぬが、しかし
何
(
なに
)
やらシーンと
底冷
(
そこび
)
えのする
空気
(
くうき
)
に、
私
(
わたくし
)
は
覚
(
おぼ
)
えず
総毛立
(
そうげだ
)
って、
躯
(
からだ
)
がすくむように
感
(
かん
)
じました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
▼ もっと見る
其処
(
そこ
)
に
転
(
ころ
)
がっている自然石の
端
(
はし
)
と端へ二人は腰を下ろした。夏の朝の太陽が、意地悪に
底冷
(
そこび
)
えのする石の肌をほんのりと
温
(
あたた
)
め
和
(
なご
)
めていた。二人は
安気
(
あんき
)
にゆっくり腰を下ろして
居
(
い
)
られた。
かの女の朝
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
けたたましく自動車の鳴り
爆
(
は
)
ぜる音、
咽喉太
(
のどぶと
)
の唸り笛さへ、
凝
(
こ
)
り霜の
夜凝
(
よご
)
りに冴えて、はた、ましぐらに
何処
(
いづく
)
へか駈け去り去りぬ。
底冷
(
そこび
)
えの戸の隙間風、さるにても明け近からし。
観相の秋
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
底
常用漢字
小4
部首:⼴
8画
冷
常用漢字
小4
部首:⼎
7画
“底”で始まる語句
底
底止
底力
底意
底光
底事
底土
底意地
底深
底澄