“そこび”の漢字の書き方と例文
語句割合
底冷100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
けたたましく自動車の鳴りぜる音、咽喉太のどぶとの唸り笛さへり霜の夜凝よごりに冴えて、はた、ましぐらに何処いづくへか駈け去りぬ。底冷そこびえの戸の隙間風、さるにても明け近からし。
こちらの世界せかいでは、どんな山坂やまさかのぼくだりしても格別かくべつ疲労ひろうかんじませぬが、しかしなにやらシーンと底冷そこびえのする空気くうきに、わたくしおぼえず総毛立そうげだって、からだがすくむようにかんじました。
其処そこころがっている自然石のはしと端へ二人は腰を下ろした。夏の朝の太陽が、意地悪に底冷そこびえのする石の肌をほんのりとあたたなごめていた。二人は安気あんきにゆっくり腰を下ろしてられた。
かの女の朝 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)