年末ねんまつ)” の例文
しかしながら金解禁きんかいきんごときは内外ないぐわい經濟上けいざいじやうから大問題だいもんだいである、しかるに年末ねんまつ段々だんだんちかづくのであるから、年末ねんまつ差迫さしせまつて斯樣かやう大問題だいもんだい決行けつかうすることは
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)
「だれも、野球やきゅうをやっていないが、どうしたんだろう。」と、たつ一は、がっかりしたが、年末ねんまつであるので、なにか都合つごうがあってこられなかったのだろうとおもいました。
とびよ鳴け (新字新仮名) / 小川未明(著)
勘次かんじには卯平うへい村落むらみせくのは贅澤ぜいたく老人としよりであるやうひがんでえるかどもあつた。たゞさうしてうち舊暦きうれき年末ねんまつちかづいて何處どこうちでも小麥こむぎ蕎麥そばいた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
ぼくの方からはあまり滝田くんたずねていない。いつも年末ねんまつもよおされるという滝田くん招宴しょうえんにも一席末せきまつれっしただけである。それはたしか震災しんさいの前年、——大正十一年の年末ねんまつだったであろう。
滝田哲太郎君 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
卯平うへい年末ねんまつ出代でがはり季節きせつになれば持病ぢびやうにして、奉公ほうこうもどうしたものかと悲觀ひくわんすることもあるが、我慢がまんをすればしのげるのでつひ居据ゐすわりにつてるうちに何時いつでもはる季節きせつかへつて
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)