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屁理窟
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へりくつ
ふりがな文庫
“
屁理窟
(
へりくつ
)” の例文
……口先だけで
屁理窟
(
へりくつ
)
をこねるのがいくら
巧
(
うま
)
くたって、実行力のない人間はあるかなきかのかげろうだ。なあ。そうだろう?
なよたけ
(新字新仮名)
/
加藤道夫
(著)
家門の紛争を増長せしめる類の弁舌や
屁理窟
(
へりくつ
)
は、仮に読書に由ってこれを学んだにしても、我々の名づけて学問と謂うものではないのである。
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
完璧
(
かんぺき
)
を望んでは、いけませんなどと
屁理窟
(
へりくつ
)
言って、ついに四升のお酒を、一滴のこさず整理することに成功したのである。
酒ぎらい
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
何に限らず正当なる権利を正当なりなぞと主張する如きは聞いた
風
(
ふう
)
な
屁理窟
(
へりくつ
)
を
楯
(
たて
)
にするようで、実に
三百代言的
(
さんびゃくだいげんてき
)
、新聞屋的、田舎議員的ではないか。
妾宅
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
その実あいまいな
屁理窟
(
へりくつ
)
をつらね一刀両断に切ったのを、柳生
三巌
(
さんがん
)
という御用剣術家、無門関あたりから引っ張り出し、三学の説をあみ出したそうだの。
剣侠受難
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
▼ もっと見る
屁理窟
(
へりくつ
)
ばかりこねて、勤勉な農をダニのように
邪
(
さまた
)
げている——いわゆる駄農の
類
(
たぐ
)
いには違いないようである。
新書太閤記:08 第八分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
而
(
さう
)
して
自分
(
じぶん
)
は
暖
(
あたゝか
)
い
靜
(
しづか
)
な
處
(
ところ
)
に
坐
(
ざ
)
して、
金
(
かね
)
を
溜
(
た
)
め、
書物
(
しよもつ
)
を
讀
(
よ
)
み、
種々
(
しゆ/″\
)
な
屁理窟
(
へりくつ
)
を
考
(
かんが
)
へ、
又
(
また
)
酒
(
さけ
)
を(
彼
(
かれ
)
は
院長
(
ゐんちやう
)
の
赤
(
あか
)
い
鼻
(
はな
)
を
見
(
み
)
て)
呑
(
の
)
んだりして、
樂隱居
(
らくいんきよ
)
のやうな
眞似
(
まね
)
をしてゐる。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
「駄目よ、そんな理窟は。何だか変ですよ。ちょうど藤井の叔父さんがふり廻しそうな
屁理窟
(
へりくつ
)
よ」
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
ジエィン、私は
屁理窟
(
へりくつ
)
を云つたり、何んでもつべこべ
訊
(
き
)
きたがる子は、
嫌
(
きら
)
ひです。それに、子供のくせに、そんな風に
大人
(
おとな
)
にさからふなんて、全く許されないことです。どこかに腰をお掛け。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
言ってやがるんだ。
屁理窟
(
へりくつ
)
ばかりつべこべと並べやがって。いったい、てめえらはだれのお陰で育ったと思っているんだ? それも忘れやがって、わしに腹癒せがましいことができると思うのか?
恐怖城
(新字新仮名)
/
佐左木俊郎
(著)
突然の幸福のお見舞いにへどもどして、てれてしまって、かえって奇妙な
屁理窟
(
へりくつ
)
を並べて怒ったりして、折角の幸福を追い払ったり何かするものである。
新釈諸国噺
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
そうして
自分
(
じぶん
)
は
暖
(
あたたか
)
い
静
(
しずか
)
な
処
(
ところ
)
に
坐
(
ざ
)
して、
金
(
かね
)
を
溜
(
た
)
め、
書物
(
しょもつ
)
を
読
(
よ
)
み、
種々
(
しゅじゅ
)
な
屁理窟
(
へりくつ
)
を
考
(
かんが
)
え、また
酒
(
さけ
)
を(
彼
(
かれ
)
は
院長
(
いんちょう
)
の
赤
(
あか
)
い
鼻
(
はな
)
を
見
(
み
)
て)
呑
(
の
)
んだりして、
楽隠居
(
らくいんきょ
)
のような
真似
(
まね
)
をしている。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
人の死んだ席で、なんの用事もせず、どっかと坐ったまま仏頂づらしてぶつぶつ
屁理窟
(
へりくつ
)
ならべている男の姿は、たしかに、見よいものではない。馬鹿である。
緒方氏を殺した者
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
『そんな
屁理窟
(
へりくつ
)
は
解
(
わか
)
らん。』
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
あんなのを、
屁理窟
(
へりくつ
)
というのですね。科学。どうして僕は、あれほど科学を
畏怖
(
いふ
)
していたのだろう。子供がマッチを喜ぶたぐいでしょうかね。いじらしいものだ。
惜別
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
とわけのわからぬ負け惜しみの
屁理窟
(
へりくつ
)
をつけて
痩我慢
(
やせがまん
)
の胸をさすり、家へ帰って一合の
晩酌
(
ばんしゃく
)
を女房の顔を見ないようにしてうつむいて飲み、どうにも
面白
(
おもしろ
)
くないので、やけくそに大めしをくらって
新釈諸国噺
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
屁
漢検1級
部首:⼫
7画
理
常用漢字
小2
部首:⽟
11画
窟
常用漢字
中学
部首:⽳
13画
“屁理”で始まる語句
屁理屈
屁理想