“容子(やうす)” の例文
何(なに)ね、今(いま)から、二三年(ねん)、然(さ)うだねえ、彼(か)れこれ四年(ねん)には成(な)るづらか。東京(とうきやう)から来(き)なさつたな、そりや、何(ど)うも容子(やうす)たら、容色(きりやう)たら、そりや何(ど)うも美(うつくし)い若(わか)い奥様(おくさま)がな。
続銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
彼(かれ)は何程(なにほど)節約(せつやく)しても遂(つひ)にじり/\と減(へつ)て行(ゆ)くのみである財布(さいふ)に縋(すが)つて、芒(すゝき)で裂(さ)いた樣(やう)に閉(と)ぢた其(そ)の口(くち)に何(なん)でも噛(か)み殺(ころ)して居(ゐ)るのだといふ容子(やうす)をして其(その)日(ひ)々々と刻(きざ)んで過(すご)した。
土 (旧字旧仮名) / 長塚節(著)
いたく怯(おび)えたる容子(やうす)して。
其(その)夜(よ)はまだ各(おの/\)が一つ加(くは)はつた年齡(ねんれい)の數(かず)程(ほど)の熬豆(いりまめ)を噛(かじ)つて鬼(おに)をやらうた夜(よ)から、幾(いく)らも隔(へだ)たらないので、鹽鰮(しほいわし)の頭(あたま)と共(とも)に戸口(とぐち)に揷(さ)した柊(ひゝらぎ)の葉(は)も一向(いつかう)に乾(かわ)いた容子(やうす)の見(み)えない程(ほど)のことであつた。
土 (旧字旧仮名) / 長塚節(著)