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容子
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やうす
何ね、
今から、二三
年、
然うだねえ、
彼れこれ四
年には
成るづらか。
東京から
来なさつたな、そりや、
何うも
容子たら、
容色たら、そりや
何うも
美い
若い
奥様がな。
彼は
何程節約しても
遂にじり/\と
減て
行くのみである
財布に
縋つて、
芒で
裂いた
樣に
閉ぢた
其の
口に
何でも
噛み
殺して
居るのだといふ
容子をして
其日々々と
刻んで
過した。
其夜はまだ
各が一つ
加はつた
年齡の
數程の
熬豆を
噛つて
鬼をやらうた
夜から、
幾らも
隔たらないので、
鹽鰮の
頭と
共に
戸口に
揷した
柊の
葉も
一向に
乾いた
容子の
見えない
程のことであつた。