家探やさが)” の例文
お疑いなら家探やさがしをして下すってもいい。又、近所の人達に聞いて下すってもいい。この寺にそんな不具者が住んでいるかどうか
一寸法師 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
「だって、さっき、家探やさがしをして行った侍たちが、万吉も弦之丞も、たしかに、この大阪へ来ているはずだといったじゃないか」
鳴門秘帖:04 船路の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
其時越前守殿かさねて彌吉夫婦に向はれ汝等いまだ菊を疑ふ樣子ある故つぶさに申聞すべし我菊がしうとめの死骸を檢査あらためさするついで家探やさがしを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
喜介は居るに相違ないと言い張って、しまいには家探やさがしをするとまで言い出したので、外記ももう面倒になった。
箕輪心中 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
ぜいからしまりのないうへに、今日けふ家探やさがしで少しき込んでゐる。話が一段落つくと、相の手の様に、何所どこかないか/\と聞く。仕舞には三四郎も笑ひ出した。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
多分の木を盗んで置いて、板にへいだり、売りさばいたりした村の人などはことに狼狽ろうばいする。背伐せぎりの吟味と言えば、村じゅう家探やさがしの評判が立つほど厳重をきわめたものだ。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
「お磯の記憶によると無かったそうです。……あとで家探やさがしまでしてみたそうですが……」
復讐 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
博士は、まゆをつりあげ、ひたい青筋あおすじを立て、真剣になって、黄竜の間で家探やさがしをしている。
少年探偵長 (新字新仮名) / 海野十三(著)
事のていをよく見ると、どうやら全町を挙げて家探やさがしが行われているようです。
大菩薩峠:21 無明の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
これは税所邦之助が不思議に耐えなかったところだが、そうした家探やさがしの結果も無効に終わって、邦之助はその十五、六人集まっていた水戸藩の人々を一人も発見することができなかった。
つづれ烏羽玉 (新字新仮名) / 林不忘(著)
市、その阿魔と餓鬼を押えつけろ、他の者は家探やさがししろ。
一本刀土俵入 二幕五場 (新字新仮名) / 長谷川伸(著)
禅杖ぜんじょうをひっかかえひらりと馬を飛びおり、巽小文治とともに、家の中へはいっていって八方家探やさがししたが、部下のことばのとおり、何者もひそんでいなかった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そこで、二人はもう一度その家の格子戸を開けて、婆さんに尋ねたり、家探やさがしをしたりしたが、結局絹川雪子は、煙の様に消え失せてしまったことが確められたばかりであった。
(新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
家探やさがしなり共致さるべし何とてせんなき僞り申すべきやと云ひけるに善六は此を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
しかし巡警らは承知しない、たしかにこの家へ逃げ込んだに相違ないといって、家探やさがしを始めかかったので、主人も困った。これは飛んでもないことをしたと、いまさら悔んでももう遅い。
青蛙堂鬼談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
また相当厳重な家探やさがしをした結果、秘密の部屋は発見されなかった。
四次元漂流 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「これだ! 老人。日ごろのよしみも、悪くおもってくんなさるな。家探やさがしするぜ」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
あるかしこい男が手紙を隠すのだが、最もかしこい隠し方は隠さぬことだという考えから、無雑作に壁の状差しへ投込んで置いた所、警察が家探やさがしをしても発見することが出来なんだ話です。
孤島の鬼 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
あたしは、刑事たちが、盛んに家探やさがしをしているのを認めた。
俘囚 (新字新仮名) / 海野十三(著)
空家あきやと見えるわ。ええい面倒だ、家探やさがしして、わが家の大切な客を助け出せ」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「踏みこんで、家探やさがしの上、没収して参りました」
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
家探やさがしするぞ」
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)