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安危
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あんき
ふりがな文庫
“
安危
(
あんき
)” の例文
もっとも、
蛾次郎
(
がじろう
)
の身にとってみれば、
甲府
(
こうふ
)
一
城
(
じょう
)
の
安危
(
あんき
)
よりは、この独楽一
箇
(
こ
)
が大事かも知れない。だれか、かれを
悪童
(
あくどう
)
とよぶものぞ。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ここ一時間を無事に保たば、
安危
(
あんき
)
の間を
駛
(
は
)
する
観音丸
(
かんのんまる
)
は、
恙
(
つつが
)
なく直江津に
着
(
ちゃく
)
すべきなり。
渠
(
かれ
)
はその全力を尽して浪を
截
(
き
)
りぬ。
取舵
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
しかし一身の
安危
(
あんき
)
などは
上帝
(
じょうてい
)
の意志に任せてあるのか、やはり微笑を浮かべながら、少女との問答をつづけている。
少年
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「本官は貴官に重大な命令を与える。事の成否は帝国の
安危
(
あんき
)
に
係
(
かか
)
っている。仁科少佐は、天皇陛下並に日本帝国の為、万難を排し、身命を
抛
(
なげう
)
って任務を
遂行
(
すいこう
)
する事を欲する」
計略二重戦:少年密偵
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
その口に説くところを聞けば主公の
安危
(
あんき
)
または外交の利害などいうといえども、その心術の
底
(
そこ
)
を
叩
(
たたい
)
てこれを
極
(
きわ
)
むるときは
彼
(
か
)
の哲学流の一種にして、人事国事に
瘠我慢
(
やせがまん
)
は無益なりとて
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
▼ もっと見る
呼出
(
よびいだ
)
しなば手懸にも相成べし此旨心得置べし此度の儀は
國家
(
こくか
)
の一大事家の
安危
(
あんき
)
なるぞ急げ/\途中は金銀を
吝
(
をし
)
むな喩にも黄金
乏
(
とぼし
)
ければ交り
薄
(
うす
)
しと云へり
女子
(
によし
)
と小人は養ひ難しとの
聖言
(
せいげん
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
何故
(
なぜ
)
子供の
安危
(
あんき
)
を自分より先に考えなかったかというのが細君の不平であった。
咄嗟
(
とっさ
)
の衝動から起った自分の行為に対して、こんな批評を加えられようとは夢にも思っていなかった健三は驚ろいた。
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
しかるに、
忽
(
たちま
)
ち朝鮮一件より日清の関係となるや、
儂
(
のう
)
は
曩日
(
さき
)
に述べし如く、我が国の
安危
(
あんき
)
旦夕
(
たんせき
)
に迫れり、
豈
(
あに
)
読書の時ならんやと、奮然書を
擲
(
なげう
)
ち、先ず小林の処に至り、この際
如何
(
いかん
)
の計画あるやを問う。
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
城主助右衛門の
毅然
(
きぜん
)
たる態度にもあるが、一面、かれの妻が、よく兵をねぎらい、領民をかばい、自己の一命や
安危
(
あんき
)
などは
措
(
お
)
いて、衆と共に、良人と共に
新書太閤記:11 第十一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そう云う動物を生かして置いては、
今日
(
こんにち
)
の法律に
違
(
たが
)
うばかりか、一国の
安危
(
あんき
)
にも
関
(
かかわ
)
る
訣
(
わけ
)
である。そこで代官は一月ばかり、土の牢に彼等を入れて置いた
後
(
のち
)
、とうとう三人とも焼き殺す事にした。
おぎん
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
お互いの働きは、日頃のしめし合わせの通り、たとい味方の者が、目の前で多くの敵に囲まれようと、主君のご
安危
(
あんき
)
をたしかめぬうちは、互いに
顧
(
かえり
)
み合わぬことだ。おぬかりあるな
黒田如水
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「かれの
安危
(
あんき
)
がわからぬうちに、自分ばかり
退
(
の
)
くことはできない。オオ!」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「貴様の一生には代えられぬ。ひいては、おととし、叔父五郎左衛門の不首尾にかさねて、またも、公儀の耳にまずい噂が聞えては、大岡十家の
安危
(
あんき
)
にもかかわろう。……女ひとりの生命くらいは」
大岡越前
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
『吾々共、主人の
安危
(
あんき
)
を、一刻もはやく承知仕りたいのでござる』
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
安
常用漢字
小3
部首:⼧
6画
危
常用漢字
小6
部首:⼙
6画
“安危”で始まる語句
安危栄辱