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妄動
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もうどう
ふりがな文庫
“
妄動
(
もうどう
)” の例文
御着の城も個々の運命も
支
(
ささ
)
えてゆけないと思いつめている老臣たちの頑固な旧観念と
妄動
(
もうどう
)
を
愍
(
あわ
)
れまずにいられなかったのである。
黒田如水
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「近年幕吏
妄動
(
もうどう
)
し、かつ君臣の名義大いに混乱致し、はなはだしきは徳川幕府あるを知りて、天皇のあるを知らずに至り候——」
つづれ烏羽玉
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
が、藤十郎は、見物のたわいもない
妄動
(
もうどう
)
の裡に、深い
尤
(
もっと
)
もな理由のあるのを、看取しない訳には行かなかったのである。
藤十郎の恋
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
今後双方から信義を守って相交わるについては、こんな
妄動
(
もうどう
)
の所為のないようきっと申し渡して置く。今後これらの事件はすべて朝廷で引き受ける。
夜明け前:03 第二部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
明朝は伊達少将の手を経て
朝旨
(
ちょうし
)
を伺うことになるだろう。いずれも軽挙
妄動
(
もうどう
)
することなく、何分の御沙汰を待たれいと云うのである。九人は謹んで承服した。
堺事件
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
▼ もっと見る
それが売れない山と同じに先を越されて
罐詰
(
かんづめ
)
になっており、下手をすれば親類合議で準禁治産という手もあり、
妄動
(
もうどう
)
して叔父たちの
係蹄
(
わな
)
にかからないとも限らないのであった。
縮図
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
そう云ってきびしく
妄動
(
もうどう
)
を禁じたので、あやうく事は起こらずに済んだ。
新潮記
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
それにてもなお憤りが納まらずば将軍家を
弑
(
しい
)
し奉ればよいのじゃ。さるを故なき感情に激して、国家を
危
(
あや
)
うきに導くごとき
妄動
(
もうどう
)
するとは何事かっ。閣老安藤対馬守、かように申したと天下に声明せい
老中の眼鏡
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
「暴力
妄動
(
もうどう
)
はよろしくない。かえって、山門の威厳を失墜することになろう。よろしく、合法的に、邪教のうえに
天譴
(
てんけん
)
をくだすべきであろう」
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
が、彼の
律義
(
りちぎ
)
な人格は、
咄嗟
(
とっさ
)
に彼の慾情の
妄動
(
もうどう
)
をきっぱりと、制し得たのである。藤十郎は、宗山清兵衛の事を考えた。また、貞淑と云う
噂
(
うわさ
)
の高いお梶の事を考えた。
藤十郎の恋
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
と言っても彼も
妄動
(
もうどう
)
のいけないことに、だんだん気がついていた。一度心が揺れはじめると、容易には揺れ
止
(
や
)
まないので、そういう時は、部屋にじっとしているに限るのだった。
仮装人物
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
妄動
(
もうどう
)
は内紛のもとだからきっと慎め、と厳重に戒告されたのであった。
初夜
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
「このさい
妄動
(
もうどう
)
は禁物だ。ヘタな
藪蛇
(
やぶへび
)
は、逆に
宋子
(
そうし
)
(宋江)の落命を早めてしまおう。この計略は入念に入念を要する」
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
敵国の地深くへ進み出ながら、彼がなお自ら軍を引っ
提
(
さ
)
げて戦わずに、ひたすら魏軍の
妄動
(
もうどう
)
を誘う消極戦法を固持している理由は、実にその兵力装備の差にあった。
三国志:11 五丈原の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
妄動
(
もうどう
)
するな、うかつに動くと危ないぞ、動かぬ切れ
刀
(
もの
)
へさわってきて、われから命を落すまい。無益な殺傷沙汰はしたくないと思う、で、話がある! 静かにせい」
鳴門秘帖:05 剣山の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
(——
妄動
(
もうどう
)
何かせん。観ずれば死生は一瞬の
風裡
(
ふうり
)
。悠久は天にあり、死を帰すも天、生を
托
(
たく
)
すも天)
新書太閤記:04 第四分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「——が、お互いに、
妄動
(
もうどう
)
は慎みましょう。司馬懿につけ込まれるおそれがありますから」
三国志:11 五丈原の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と、自身の場合だけを例外なものに見、しかも戦が柴田側の勝利に帰すことまでを、
強
(
し
)
いて信じていたのである。驚くべき
妄動
(
もうどう
)
というほかはない。しかし、後では彼も
煩悶
(
はんもん
)
した。
新書太閤記:09 第九分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
わが子の愛を
思
(
おぼ
)
し給わば、益なき
妄動
(
もうどう
)
をやめ給え。年寄の
冷水
(
ひやみず
)
、夢、妄動をやめたまえ。
牢獄の花嫁
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
同時につい先頃、織田軍によって、武田そのものをも跡かたもなく攻め
潰
(
つぶ
)
した甲州方面でも、
物情騒然
(
ぶつじょうそうぜん
)
、蜂の巣をついたような
妄動
(
もうどう
)
があらわれ出した。固守、攻略、合流、分離の争乱が随所に起った。
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と、かたく部下の
妄動
(
もうどう
)
をいましめ、封鎖の手をゆるめなかった。
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
あらゆる
妄動
(
もうどう
)
と醜態を世に
暴露
(
ばくろ
)
してしまった。
黒田如水
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と、かえって人びとの
妄動
(
もうどう
)
をたしなめた。
新・平家物語:02 ちげぐさの巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
貞昌
(
さだまさ
)
は、兵の
妄動
(
もうどう
)
を
戒
(
いまし
)
めた。
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“妄動”の意味
《名詞》
理非をわきまえずにむやみに行動すること。
(出典:Wiktionary)
妄
常用漢字
中学
部首:⼥
6画
動
常用漢字
小3
部首:⼒
11画
“妄”で始まる語句
妄
妄想
妄執
妄念
妄信
妄説
妄言
妄誕
妄語
妄漫