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奸佞
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かんねい
ふりがな文庫
“
奸佞
(
かんねい
)” の例文
切に願ふ、朝廷此情実を
諒
(
りやう
)
とし給ひ、
詔
(
みことのり
)
を下して朝野の直言を求め、
奸佞
(
かんねい
)
を駆逐し、忠正を登庸し、邪説を破り、大体を
明
(
あきらか
)
にし給はむことを。
津下四郎左衛門
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
(父子、
世嗣
(
よつぎ
)
の問題にまで、才気をさし挟むはいかに才ありとも、
奸佞
(
かんねい
)
の臣たるをまぬかれぬ。いつかは、
誅
(
ちゅう
)
すべきぞ)
三国志:09 図南の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「凶暴を極め、惨虐を極め」た「
奸佞
(
かんねい
)
なる」犯罪を書き立てたのみで、あの事件が第二のクリップン事件であり、マゾヒストの殺人であるという点に
日本に於けるクリップン事件
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
この不幸をきっかけにして、土部三斎や、横山、浜川と言ったような、
奸佞
(
かんねい
)
暴慾な武士たちは、だんだんに、雪之丞の計略の
罠
(
わな
)
に陥ちてゆくであろう。
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
安く送らん事
最々
(
いと/\
)
容易
(
ようい
)
の
業
(
わざ
)
ながら忠相ぬしつら/\
渠
(
かれ
)
を見るに
貴介
(
きかい
)
公子
(
こうし
)
の
落胤
(
らくいん
)
に
似氣
(
にげ
)
なく
奸佞
(
かんねい
)
面に顯れ居れば
意
(
こゝろ
)
許
(
ゆる
)
せぬ
曲者
(
くせもの
)
なりと夫が
成立
(
なりたち
)
よりの事柄を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
▼ もっと見る
曖昧
(
あいまい
)
な理屈を立てた後、利己心の一見道理あるらしい
狡猾
(
こうかつ
)
な論法を用いた後、憤った本心から「
奸佞
(
かんねい
)
の徒、みじめなる奴、」と耳に叫ばれるのを彼が聞いたのも、幾度であったろう。
レ・ミゼラブル:08 第五部 ジャン・ヴァルジャン
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
叔父さんを無事に連れ帰るのは誰でもいいが、このままにしておいては
奸佞
(
かんねい
)
邪智の秋山男爵だ、この上如何なる悪計を持って我らを苦しめ、かつ鳩のような月子さんを
翫
(
もてあそ
)
ぶか知れない。
月世界競争探検
(新字新仮名)
/
押川春浪
(著)
彼女はその点を正面から攻撃しはしなかった。彼女は
奸佞
(
かんねい
)
な尋ね方をした。
ジャン・クリストフ:05 第三巻 青年
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
ピストルでもあったなら、
躊躇
(
ちゅうちょ
)
せずドカンドカンと射殺してしまいたい気持であった。犬は、私にそのような、
外面如菩薩
(
げめんにょぼさつ
)
、
内心如夜叉
(
ないしんにょやしゃ
)
的の
奸佞
(
かんねい
)
の害心があるとも知らず、どこまでもついてくる。
畜犬談:―伊馬鵜平君に与える―
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
狡猾
(
かうくわつ
)
奸佞
(
かんねい
)
なるものの世に珍重せらるべきを知りぬ、「ブロンテ」の小説を読んで人に感応あることを知りぬ、
蓋
(
けだ
)
し小説に境遇を叙するものあり、品性を写すものあり、心理上の解剖を試むるものあり
人生
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
文雅風流の道に傾きすぎるきらいはあるがまず聖明な君と申しあげてよい。ただ困るのはその君側の
奸
(
かん
)
だ。
奸佞
(
かんねい
)
な
侯公
(
こうこう
)
や悪臣のみが
政治
(
まつりごと
)
を自由にしている
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
王の
奸佞
(
かんねい
)
邪智を打ち破る為に走るのだ。走らなければならぬ。そうして、私は殺される。若い時から名誉を守れ。さらば、ふるさと。若いメロスは、つらかった。幾度か、立ちどまりそうになった。
走れメロス
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
古語
(
こご
)
に曰く君子は
欺
(
あざむ
)
くべし
罔
(
しゆ
)
べからずとは
宜
(
むべ
)
なる
哉
(
かな
)
都
(
すべ
)
て
奸佞
(
かんねい
)
の者に欺かるゝは
己
(
おのれ
)
が心の
正直
(
しやうぢき
)
より欺かさるゝものなり
實
(
じつ
)
に其人にして
爲
(
なす
)
而已
(
のみ
)
其の
欺
(
あざむ
)
く者は論ず
可
(
べか
)
らず其
才
(
さい
)
不才
(
ふさい
)
に依るにあらざるか爰に伊勢屋五兵衞の養子千太郎は父の病中を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
かくては、
慄然
(
りつぜん
)
、日ごろの不安を、いやが上にも募らせた吉保は、
奸佞
(
かんねい
)
の本質をあらわして、紋太夫と
謀
(
はか
)
り、にわかに老公へ対して、ある決意をかためたらしく存ぜられます
梅里先生行状記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ここらが彼の
奸佞
(
かんねい
)
なところである。果たして、奉行の
蔡九
(
さいきゅう
)
は、ご機嫌すこぶる斜めであった。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
奸佞
(
かんねい
)
、
讒訴
(
ざんそ
)
、
賄賂
(
わいろ
)
、警職の乱用、司法の私権化など、あらゆる悪が横行していたので、その
弊風
(
へいふう
)
は、州や県の地方末端の行政面にも、そのまま醜悪を大なり小なりつつんでいた。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
奸
漢検1級
部首:⼥
6画
佞
漢検1級
部首:⼈
7画
“奸佞”で始まる語句
奸佞邪智