大目玉おほめだま)” の例文
よつすみやかやかた召返めしかへし、いて、昌黎しやうれいおもてたゞしうしてふ。なんぢずや、市肆しし賤類せんるゐ朝暮てうぼいとなみに齷齪あくさくたるもの、一事いちじちやうずるあり、なんぢまなばずしてなにをかなすと、叔公をぢさん大目玉おほめだまくらはす。
花間文字 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
大目玉おほめだまで、天守てんしゆにらんで、ト其処そこられてござるげな、最惜いとをしい、魔界まかい業苦がうくに、なが頭髪かみのけ一筋ひとすぢづゝ、一刻いつこく生血いきちらすだ、奥様おくさま苦脳くなうわすれずに、くまでれさ、たふれたら介抱かいはうすべい。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
一體いつたいじゆくでは小説せうせつ嚴禁げんきんなので、うつかり教師けうし見着みつかると大目玉おほめだまふのみならず、この以前いぜん三馬さんば浮世風呂うきよぶろ一册いつさつ沒收ぼつしうされて四週間ししうかん置放おきつぱなしにされたため、貸本屋かしほんやから嚴談げんだんつて、大金たいきんられ
怪談女の輪 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)