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嘵舌
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しやべ
尤も外に同志が三四人はゐるから、大丈夫だが、
一人でも味方は多い方が便利だから、三四郎も成るべく
嘵舌るに
若くはないとの意見である。
『お
浦……』と
膝を
支いて、
摺寄つて
緊乎と
抱いて、
言ふだけの
事を
呼吸も
絶々に
我を
忘れて
嘵舌つた。
就中、わざ/\
東京から
出張つて
来た
親類のものは、
或は
慰め、
或は
励まし、
又戒めなどする
種々の
言葉を、
立続けに
嘵舌つたが、
頭から
耳にも
入れず……
暗闇の
路次へ
入つて
平岡は
嘵舌つてるうち、自然と此比喩に
打つかつて、大いなる味方を得た様な心持がしたので、
其所で得意に一段落をつけた。代助は
仕方なしに
薄笑ひをした。すると平岡はすぐ
後を
附加へた。
『
御許され、
御許され。』と
声が
交つて、
喧々と
嘵舌つた、と
思はれよ。
三千代が無暗に
洗ひ
浚い
嘵舌り
散らす女ではなし、よしんば
何うして、そんな
金が
要る様になつたかの事情を、詳しく
聞き得たにした所で、
夫婦の
腹の
中なんぞは容易に
探られる訳のものではない。
と
平生の調子で
苦もなく
嘵舌り立てた。代助は
真面目で
三四郎は此静かな秋のなかへ
出たら、急に
嘵舌り出した。