嘵舌しやべ)” の例文
尤も外に同志が三四人はゐるから、大丈夫だが、一人ひとりでも味方は多い方が便利だから、三四郎も成るべく嘵舌しやべるにくはないとの意見である。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
『おうら……』とひざいて、摺寄すりよつて緊乎しつかいて、ふだけのこと呼吸いき絶々たえ/″\われわすれて嘵舌しやべつた。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
就中なかんづく、わざ/\東京とうきやうから出張でばつて親類しんるゐのものは、あるひなぐさめ、あるひはげまし、またいましめなどする種々いろ/\言葉ことばを、立続たてつゞけに嘵舌しやべつたが、あたまからみゝにもれず……暗闇くらやみ路次ろじはいつて
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
平岡は嘵舌しやべつてるうち、自然と此比喩につかつて、大いなる味方を得た様な心持がしたので、其所そこで得意に一段落をつけた。代助は仕方しかたなしに薄笑うすわらひをした。すると平岡はすぐあと附加つけくはへた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
御許ごゆるされ、御許ごゆるされ。』とこゑまじつて、喧々がや/\嘵舌しやべつた、とおもはれよ。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
三千代が無暗にあらざら嘵舌しやべらす女ではなし、よしんばうして、そんなかねる様になつたかの事情を、詳しくき得たにした所で、夫婦ふうふはらなかなんぞは容易にさぐられる訳のものではない。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
平生いつもの調子でもなく嘵舌しやべり立てた。代助は真面目まじめ
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
三四郎は此静かな秋のなかへたら、急に嘵舌しやべり出した。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)