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しやべり
ふりがな文庫
“
喋舌
(
しやべり
)” の例文
猩々はまた黙つて小娘のお
喋舌
(
しやべり
)
に耳を傾けてゐたが、暫くすると、娘をいたはるやうに手に持つた
食物
(
たべもの
)
の
破片
(
かけら
)
をそつと呉れてやつた。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
何だか、
晝狐
(
ひるぎつね
)
につまゝれたやうな心持、平次はもとより、お
喋舌
(
しやべり
)
のガラツ八も、毒氣を拔かれて默り込んで了ひました。
銭形平次捕物控:027 幻の民五郎
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
そこで
自分
(
じぶん
)
は『
對話
(
たいわ
)
』といふことに
就
(
つい
)
て
考
(
かんが
)
へ
初
(
はじ
)
めた、
大袈裟
(
おほげさ
)
に
言
(
い
)
へば『
對話哲學
(
たいわてつがく
)
』
又
(
ま
)
たの
名
(
な
)
を『お
喋舌
(
しやべり
)
哲學
(
てつがく
)
』に
就
(
つい
)
て。
湯ヶ原ゆき
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
メァリーは單に面白い話をしてくれたり、私が耽らうとするきび/\した
辛辣
(
しんらつ
)
なお
喋舌
(
しやべり
)
に應じるのが關の山だつた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
火に翳した羽織からは湯氣が立つてゐる。思つたよりは濡れてゐると見えて却々乾せない。好い事にして私は三十分の餘も内儀相手にお
喋舌
(
しやべり
)
をしてゐた。
札幌
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
▼ もっと見る
或
(
あ
)
る年の、四月半ばの或る晴れた日、地主宇沢家の
邸裏
(
やしきうら
)
の畑地へ二十人ばかりの人足が入りこんで、お
喋舌
(
しやべり
)
をしたり
鼻唄
(
はなうた
)
を唄つたりして
賑
(
にぎや
)
かに立働いてゐた。
新らしき祖先
(新字旧仮名)
/
相馬泰三
(著)
このお
喋舌
(
しやべり
)
は、いちいち書き止める必要はあるまい。ただ重要なことは、梨枝子が、中途から、急に浮かぬ表情をして、誰が物を云つてもろくに返事をしなくなつてしまつたことである。
落葉日記
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
お
喋舌
(
しやべり
)
の多い米国人の娘を相手に毎日教室で文学史を講義しなければならぬとなると、どんな男だつて英語が達者になる訳である。
茶話:05 大正八(一九一九)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
あのお
喋舌
(
しやべり
)
で浮氣つぽくて
容貌
(
きりやう
)
自慢で、若旦那とはまるつきり
反
(
そり
)
の合はないお萬と一緒にされるが嫌で、ツイ
自棄
(
やけ
)
なことがあつたかも知れないが
銭形平次捕物控:132 雛の別れ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
火に翳した羽織からは湯気が立つてゐる。思つたよりは濡れてゐると見えて
却々
(
なかなか
)
乾せない。
好
(
い
)
い事にして私は三十分の余も内儀相手にお
喋舌
(
しやべり
)
をしてゐた。
札幌
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
それはそれとして、今夜の出來事の
詳細
(
しやうさい
)
を知つてゐる者が私以外にはあなたきりだつたのは幸ひだつた。あなたはお
喋舌
(
しやべり
)
ぢやない、これに就いては一言も云はぬことにして下さい。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
日本人は地味で
生
(
き
)
一
本
(
ぽん
)
で
別
(
ほか
)
に
言分
(
いひぶん
)
はないが、
唯
(
たつた
)
一つ辞世だけは贅沢すぎる。死際にはお
喋舌
(
しやべり
)
は要らぬ事だ。狼のやうに黙つて死にたい。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
脊の高い無神經な容子をしたイングラム卿は、小さく快活なエミー・イィシュトンの椅子の背中に腕を組んで
凭
(
よ
)
りかゝつてゐる。彼女は、彼を見上げて、まるで
鷦鷯
(
みそさゞい
)
か何ぞのやうにお
喋舌
(
しやべり
)
してゐる。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
あまりお
喋舌
(
しやべり
)
が過ぎたことに、自分乍ら氣が付いたのでせう。
銭形平次捕物控:169 櫛の文字
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
大学は
世間体
(
せけんてい
)
最高学府といふ事にはなつてゐるが、誰一人この女中程上品な口を利かなかつたし、それに揃ひも揃つてお
喋舌
(
しやべり
)
が過ぎた。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
さしづめ愛国婦人会の会員達は、下らないお
喋舌
(
しやべり
)
の会合などは
止
(
や
)
めにして、先づ自分の
忰
(
せがれ
)
の歯を掃除してやらなければならない事になる。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
成程林檎は
沈黙家
(
むつゝりや
)
だが、芸者はよくお
喋舌
(
しやべり
)
をする。そして一番悪いのは長次郎氏のやうな人に、よく解らない事を
喋舌
(
しやべ
)
る事だ。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「天国でお
喋舌
(
しやべり
)
が何の役に立つんです。あちらでは唯顔を見てさへ
居
(
を
)
れば十分なんですから、言葉に不自由なぞ無い筈です。」
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「馬の
飼葉
(
かひば
)
に牡蠣をやつてくれ。」——それを聞いたお客達は、今迄話してゐたお
喋舌
(
しやべり
)
を
止
(
や
)
めて、一斉に
此方
(
こちら
)
を振り向いた。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
もしか馬が亜米利加の大統領か新聞記者のやうなお
喋舌
(
しやべり
)
だつたら、世間は今とはもつと違つたものになるに相違ない。
茶話:05 大正八(一九一九)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
栖鳳氏はいくらか
擽
(
くすぐ
)
つたさうな顔つきをして、それを聴いてゐたが、批評家のお
喋舌
(
しやべり
)
がすむと、静かに口を開いた。
茶話:05 大正八(一九一九)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
二人は
外套室
(
クローク・ルウム
)
に外套を置いて、かねて馴染の小ぢんまりした
部室
(
へや
)
に入つて往つた。そして
香気
(
かをり
)
の高いココアを
啜
(
すゝ
)
りながら、好きなお
喋舌
(
しやべり
)
に語り耽つた。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
お
喋舌
(
しやべり
)
の好きな男で、どんな腹の
空
(
す
)
いた時でも追悼演説を頼まれると、直ぐ出掛けて往つて、宮川氏のやうに悲しさうな
詞
(
ことば
)
を料理場の油虫よりも沢山並べ立てて呉れる。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
喋
漢検準1級
部首:⼝
12画
舌
常用漢字
小6
部首:⾆
6画
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喋舌家
喋舌立