命数めいすう)” の例文
旧字:命數
ムヽー、あれだけの手当てあておよんでも息が出んとまうせば最早もはやまつた命数めいすうきたのかも知れぬて、うしてもかぬか。
華族のお医者 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
いわし天窓あたま信心しん/″\から、それでも命数めいすうきぬやから本復ほんぷくするから、ほか竹庵ちくあん養仙やうせん木斎もくさいない土地とち相応さうおう繁昌はんじやうした。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
自ら命数めいすうを感じている。けれど、国の将来に安心の見とおしがつかないのが、なんとしても心の悩みであった。
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「さては火をかけて自滅と見ゆるぞ。暴君の滅亡は自然の命数めいすうじゃが、油断してかの妖魔を取り逃がすな。雷震はおらぬか。煙りのなかへ駈け入って早く妖魔を誅戮ちゅうりくせよ」
玉藻の前 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
「いや。命数めいすうってものがある。赤石君にしても末次君にしても、もう先が見えている」
ガラマサどん (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
ほどなくして、うつくしいきさき病気びょうきとなられました。おうさまは、くにじゅうの名医めいいをおびになって、なおそうとなされたけれど、命数めいすうだけは、人間にんげんちからでどうすることもできなかったのです。
ひすいを愛された妃 (新字新仮名) / 小川未明(著)
絶叫ぜっきょうして泣いたけれど命数めいすうがあればにも死なれないで
(新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
極みある命数めいすうの大歓楽に
第二邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
わたくしも丹誠が届くならばと思いましたが、定まる命数めいすうでございまする、只今亡くなりまして、誠に不憫ふびんな事を致しました
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
せめて、自分の命数めいすうを標準に、生きているまにその完成が見られるぐらいな程度にしてはどんなものか——
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)