合壁がつぺき)” の例文
はらすべしと其夜近所きんじよ合壁がつぺき寢靜ねしづまりたる頃藤重が家にしのび行て見るに是は如何に何程なにほどひらかんとしてもくぎにてそとよりつけて有ば少しもあかず内の樣子を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
美尾みを美尾みをなかへもれたきおもひ、近處きんじよ合壁がつぺきつゝきひて物爭ものあらそひにくちものかりし。
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
なにかにつけては美学びがく受売うけうりをして田舎者いなかものメレンスはあざやかだからで江戸ツ子の盲縞めくらじまはジミだからでないといふ滅法めつぱふ大議論だいぎろん近所きんじよ合壁がつぺきさわがす事少しもめづらしからず。
為文学者経 (新字旧仮名) / 内田魯庵三文字屋金平(著)
近所合壁がつぺきから邪慳じやけんに。
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
さぐり候へども藤五郎樣御兄弟の行衞ゆくゑは一向に存じ申さずと申し其上そのうへ惣右衞門は病氣にて臥居ふしをまたかれせがれ重五郎も他國へゆきしよしにて家内にはたゞ惣右衞門夫婦のみをり候まゝ種々いろ/\尋ね候へ共何分知らざる由ゆゑ夫れより近所合壁がつぺきにて承たまはり候と雖どもこれと申す取留とりとめたる儀は御座なく候とぞ申しける
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)