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もとで
ふりがな文庫
“
元手
(
もとで
)” の例文
忘れもしない二年
前
(
ぜん
)
の冬、ちょうどある大雪の
夜
(
よる
)
です。わたしは
博奕
(
ばくち
)
の
元手
(
もとで
)
が欲しさに、父の本宅へ忍びこみました。
報恩記
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
元手
(
もとで
)
かまはずの鈴も相當賣れますから、何だつたら、此儘足を洗つて、鈴賣りになるのも惡くない——といつたやうな
暢氣
(
のんき
)
な氣持になつて居りました。
銭形平次捕物控:008 鈴を慕う女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
そうだろう、お前の銀貨は、一つが二つになった。えらい
金満家
(
きんまんか
)
だ。終りよければ
総
(
すべ
)
てよしだがね、いっといてあげるが、お金はしあわせの
元手
(
もとで
)
じゃないよ。
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
元手
(
もとで
)
に一商賣に有附今の御恩を
報
(
はう
)
ぜんと口から出次第申しけるを小兵衞は打聞此後は豫て申合せし通り必ず
我等
(
われら
)
方へ參られ候事無用なりと申せしかば三吉は
天窓
(
あたま
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
東京市の貧弱なる膨脹に
付
(
つ
)
け
込
(
こ
)
んで、最低度の資本家が、なけなしの
元手
(
もとで
)
を二割乃至三割の
高利
(
こうり
)
に
廻
(
まは
)
さうと
目論
(
もくろん
)
で、あたぢけなく
拵
(
こしら
)
へ
上
(
あ
)
げた、生存競争の
記念
(
かたみ
)
である。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
夫
(
それ
)
よりは
氣
(
き
)
を
取直
(
とりなほ
)
して
稼業
(
かげふ
)
に
精
(
せい
)
を
出
(
だ
)
して
少
(
すこ
)
しの
元手
(
もとで
)
も
拵
(
こしら
)
へるやうに
心
(
こゝろ
)
がけて
下
(
くだ
)
され、お
前
(
まへ
)
に
弱
(
よは
)
られては
私
(
わたし
)
も
此子
(
このこ
)
も
何
(
ど
)
うする
事
(
こと
)
もならで、
夫
(
それ
)
こそ
路頭
(
ろたう
)
に
迷
(
まよ
)
はねば
成
(
な
)
りませぬ
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
あんな
事
(
こと
)
を
云
(
い
)
つて、お
前
(
まへ
)
さん
又
(
また
)
おだましだよ。
筑波
(
つくば
)
へお
詣
(
まゐ
)
りぢやありますまい。
博奕
(
ばくち
)
の
元手
(
もとで
)
か、
然
(
さ
)
うでなければ、
瓜井戸
(
うりゐど
)
の
誰
(
だれ
)
さんか、
意氣
(
いき
)
な
女郎衆
(
ぢよらうしう
)
の
顏
(
かほ
)
を
見
(
み
)
においでなんだよ。
一席話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
彼の
元手
(
もとで
)
は、背の壊れた椅子を切り縮めて拵えた木製の
床几
(
しょうぎ
)
一つだけであった。
二都物語:01 上巻
(新字新仮名)
/
チャールズ・ディケンズ
(著)
空ッ脛だけが
元手
(
もとで
)
の
朦朧
(
もうろう
)
駕籠屋。
顎十郎捕物帳:17 初春狸合戦
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
何度もこういう押問答を繰返した後で、とうとう私はその友人の言葉通り、テエブルの上の金貨を
元手
(
もとで
)
に、どうしても
骨牌
(
かるた
)
を闘わせなければならない
羽目
(
はめ
)
に立ち至りました。
魔術
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
“元手(
資本
)”の解説
資本(しほん、en: Capital)とは、事業活動などの元手のことである。また、主流派経済学における生産三要素のひとつ、マルクス経済学においては自己増殖する価値の運動体のこと、あるいは会計学や法学における用語である。
(出典:Wikipedia)
元
常用漢字
小2
部首:⼉
4画
手
常用漢字
小1
部首:⼿
4画
“元手”で始まる語句
元手喰式