)” の例文
又次郎はことし二十歳はたちであるが、父の弥太郎が立派にお役を勤めているので、彼は今もまだ無役の部屋みである。
(新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
からずむかしをいはば三千ごく末流まつりうなりといふ、さらば旗下はたもと娘御むすめごにや、親御おやごなどもおはさぬか、一人ひとりみとはいたはしきことなりと、はやくもそのひと不憫ふびんになりぬ
たま襻 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
ひとみの門前婆さんのことだから、筆墨を所望しょもうされたら、狼狽してほこりの溜ったのを吹き吹き、申しわけをしながら、やっと取り出さないまでも、こんなに念の入ったのを出されようとは案外で
大菩薩峠:22 白骨の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
三十路みそぢの友のひとりみかな
一握の砂 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
なにごとぞくまでやさしき孝行かう/\のこヽろにす、父君ちヽぎみ母君はヽぎみ苦勞くらうたねよめいりの相談さうだんかけたまふごとに、わがまヽながらわたく一生いつしやうひとりみのねがひあり、おふせにそむくはつみふかけれど
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)