トップ
>
仲々
>
なかなか
ふりがな文庫
“
仲々
(
なかなか
)” の例文
ところが
仲々
(
なかなか
)
、お
役人方
(
やくにんがた
)
の
苦心
(
くしん
)
は、新聞に出ているくらいのものではありませんでした。その
研究中
(
けんきゅうちゅう
)
の一つのはなしです。
紫紺染について
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
おしゃれも
仲々
(
なかなか
)
むずかしく、やけくそになって、ズボンの寝押しも怠り、靴も磨かず、
胴乱
(
どうらん
)
をだらんとさげて、わざと猫背になって歩きました。
おしゃれ童子
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
之れも初めて神田小川町の、とある洋物店より我が撰目に入りて購ひ取られたる時は、目も鮮やかなるコゲ茶色の
仲々
(
なかなか
)
に目ざましき一物なりき。
閑天地
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
電話機の具合が悪く、夜光虫、というのが
仲々
(
なかなか
)
通じないらしかった。その声に混って、外の準士官等の、疲れたような
口調
(
くちょう
)
の会話を耳にとめていた。
桜島
(新字新仮名)
/
梅崎春生
(著)
仲々
(
なかなか
)
佳い声で見物人はぼんやりと聞きとれていたが、その声は夜とともに濃く美しく近くなってくるのであった。
不思議な魚
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
▼ もっと見る
それにしても、註文通りの場所を見つけるのには
仲々
(
なかなか
)
骨が折れました。結局M駅の近くの崖を使うことに決心するまでには、十分一週間はかかりました。
赤い部屋
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
その養父というのが、
仲々
(
なかなか
)
の
飲酒家
(
のんだくれ
)
で、
固
(
もと
)
より資産の有る方ではないから、始終家産は
左向
(
ひだりむき
)
であった。熊谷ではもしも養父が亡くなったら、相当な資産は
与
(
や
)
るといっていた。
取り交ぜて
(新字新仮名)
/
水野葉舟
(著)
しばらくうとうとして、本当に眼が覚めたのは六時頃であったろう、山の朝は
仲々
(
なかなか
)
寒い。
スウィス日記
(新字新仮名)
/
辻村伊助
(著)
大
(
えけ
)
え
青大將
(
あをだいしやう
)
だから
畜生
(
ちきしやう
)
縮
(
ちゞま
)
つて
屈曲
(
えんぢぐんぢ
)
した
時
(
とき
)
や
引
(
ひ
)
つ
掛
(
かゝ
)
つて
仲々
(
なかなか
)
動
(
いご
)
かねえだ、それからうゝんと
引
(
ひ
)
き
伸
(
のば
)
しちやこすつたな、さうしたら
斯
(
か
)
う
塊
(
かたまり
)
ごりつ/\とこけんの
知
(
し
)
れたつけな、さうしたらなあにけろりよ
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
と
仲々
(
なかなか
)
親切だ。
浴槽
(新字新仮名)
/
大坪砂男
(著)
びっこで、
鼻
(
はな
)
くたの、薄気味悪いお客さまだ。しかし、
仕立卸
(
したておろ
)
しの
合
(
あい
)
トンビを初め、服装が
仲々
(
なかなか
)
立派なので、少々片輪者でも、宿の者は
鄭重
(
ていちょう
)
に取扱った。
吸血鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
「石になるとは。そいつはあんまりひどすぎる。おおい。梨の木。木のまんまでいいんだよ。けれども
仲々
(
なかなか
)
人の
命令
(
めいれい
)
をすなおに用いるやつらじゃないんです。」
チュウリップの幻術
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
午後も買物の追加やら、会員証に署名して貰ったり、手紙を書いたり、ホテルにあずけて置く荷物を作ったりして、
仲々
(
なかなか
)
忙がしい、それでもどうやら片づいて、先ず明日は出発と話も
定
(
きま
)
った。
スウィス日記
(新字新仮名)
/
辻村伊助
(著)
それに私のは作り話でなく、身を
以
(
もっ
)
て経験した事柄なのだから、
一層
(
いっそう
)
書き
易
(
やす
)
いと云うものだ、などと、たかを
括
(
くく
)
って、さて書き出して見た所が、
仲々
(
なかなか
)
そんな楽なものでないことが分って来た。
孤島の鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
日がカンカン
照
(
て
)
っていました。それでもどこかその光に青い
油
(
あぶら
)
の
疲
(
つか
)
れたようなものがありましたし、また、時々、
冷
(
つめ
)
たい風が
紐
(
ひも
)
のようにどこからか
流
(
なが
)
れては来ましたが、まだ
仲々
(
なかなか
)
暑
(
あつ
)
いのでした。
種山ヶ原
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
路は
仲々
(
なかなか
)
悪いが、歩けそうもないところには、鉄棒があちこち、手がかりに挿してあるから、別に困るほどのこともないが、日がじりじり照りつけて、日影はさすがに涼しいが、登ってゆく間は
スウィス日記
(新字新仮名)
/
辻村伊助
(著)
「
仲々
(
なかなか
)
ず太ぃやづだ。
来
(
こ
)
ったら来ぅ。」
種山ヶ原
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
「あいつは
仲々
(
なかなか
)
気取
(
きど
)
ってるな。」
耕耘部の時計
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
仲
常用漢字
小4
部首:⼈
6画
々
3画
“仲々”で始まる語句
仲々異