中脊ちうぜい)” の例文
細かなところまではわからなかつたけれど中脊ちうぜいで可成の胸幅だといふ大體のところは知られた。彼は、きつい目鼻めはなだちと、暗い額を持つた憂鬱な顏をしてゐた。
はないろうつくしく、中肉ちうにくで、中脊ちうぜいで、なよ/\として、ふつとくと、黒髪くろかみおとがさつとつた。
続銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
二ツ三ツこえ中脊ちうぜい中肉ちうにくにしていろしろ眼鼻立めはなだちそろひし美人ながら髮の毛の少しうすきは商賣上しやうばいあがりの者とども本甲ほんかふ櫛笄くしかうがひさしぎんかんざしに付たる珊瑚珠等さんごじゆとういづれも金目の物なり衣類は藍微塵あゐみぢん結城ゆふき
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
あとなる一人ひとりは、中脊ちうぜいほそをとこで、眞中まんなかの、盲目婦めくらをんなかみかげにもかくれさうに、おびからだ附着くツつけて行違ゆきちがつたのであるから、なり恰好かつかうれも判然はつきりとしないなかに、の三人目にんめのが就中なかんづくおぼろえた。
三人の盲の話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)