上氣じやうき)” の例文
新字:上気
そばまどをあけて上氣じやうきしたかほひやしながらくらいそとをてゐると、一けんばかりの路次ろじへだててすぐとなりうちおなじ二かいまどから
麻雀を語る (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
定めて若氣わかげの短慮とも、當座の上氣じやうきとも聞かれつらんこそ口惜しけれ、言はば一生の浮沈にかゝはる大事、時頼不肖ながらいかでか等閑なほざりに思ひ候べき。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
そのきぬざはりのかすかな響とを、傍に聞くことが出來たから、不安は、羞恥とあはい恐れとになつて、彼女は、上氣じやうきしたやうに、頬を赤くそめてうつむいた。
幸福への道 (旧字旧仮名) / 素木しづ(著)
よろづに淡々あわ/\しき女子おなごこゝろするやうひとことばに、おもはずくわつ上氣じやうきして、昨日きのふまではうちすてしかみつやらしうむすびあげ、端折はしおりつゞみ取上とりあげてれば、いかう眉毛まゆげえつゞきぬ
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
弓矢の上にこそ武士の譽はあれ、兩刀捨てて世を捨てて、悟り顏なる悴を左衞門は持たざるぞ。上氣じやうきの沙汰ならば容赦ようしやもせん、性根しやうねを据ゑて、不所存のほどあやまつたと言はぬかツ
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)