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インドやう
天空には
星影一
點、二
點、
又た三
點、
風死して
浪黒く、
船は
秒一秒と、
阿鼻叫喚の
響を
載せて、
印度洋の
海底に
沈んで
行くのである。
外面の、
印度洋に
向いた
方の、
大理石の
𢌞り
縁には、
軒から
掛けて、
床へ
敷く……
水晶の
簾に、
星の
數々鏤めたやうな、ぎやまんの
燈籠が、十五、
晃々點いて
並んで
居ます。
して
見ると、
我が
端艇は、
何時の
間にか
印度洋で
名高い
大潮流に
引込まれたのであらう。
私は
何となく
望のある
樣に
感じて
來たよ。