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ふちう
語句 | 割合 |
府中 | 50.0% |
不忠 | 25.0% |
釜中 | 25.0% |
なしけるに因つて
領分構ひとなり九郎兵衞は夫より駿河國
府中に知る人
在により
遙々と尋ね行き此處に三ヶ月程居たれども
兎角人請惡く
彌々落付難きに付
煮染たる樣な
單衣を
忍びたる
不忠不義の
曲者なり又汝等が兄喜内は
善惡邪正の
別ちなく
親しきを愛し
疎きを
惡む
誠に國を
亂すの
奸臣なる故我
討取て
立退しを汝等は
愚昧なれば是を
覺らず我を
申
述ざるも
不忠と存候此儀私事には候はず天下の
御爲君への
忠義にも御座あるべく依て
包まず言上仕り候越前儀
未熟ながら
幼少の時より
人相を
聊か
相學び候故昨日
間は
隔ち候へ共彼の方を
殊に
今宵は
密雲厚く
天を
蔽ひ、四
邊の
空氣は
變に
重々しく、
丁度釜中にあつて
蒸されるやうに
感じたので、
此儘船室に
歸つたとて、
迚も
安眠は
出來まいと
考へたので、
喫煙室に
行かんか、
其處も
暑し