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せうゑん
えい、ものものしや、
我が
神聖なる
甲板は、
如何でか
汝等如き
汚れたる
海賊の
血汐に
染むべきぞ。と
我が
艦ます/\
奮ふ。
硝煙は
暗く
海を
蔽ひ、
萬雷一時に
落つるに
異らず。
本艦之に
應じて
先づ
手始には八
吋速射砲つゞいて
打出す
機關砲。
月は
慘たり、
月下の
海上に
砲火迸り、
硝煙朦朧と
立昇る
光景は、
昔がたりのタラント
灣の
夜戰もかくやと
想はるゝばかり。
一度蕉園さんが
住んで
居た、おまじなひ
横町へ
入らうとする、
小さな
道具屋の
店に、
火鉢、
塗箱、
茶碗、
花活、
盆、
鬱金の
切の
上に
古い
茶碗、
柱にふツさりと
白い
拂子などの
掛つた
中に