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くもゐ
事無さにイザルの森をさまよふか
雲居の
外に子等は待たぬか
青駒の
足掻を
速み
雲居にぞ
妹があたりを
過ぎて
来にける 〔巻二・一三六〕 柿本人麿
此身は
雲井の
鳥の
羽がひ
自由なる
書生の
境界に
今しばしは
遊ばるゝ
心なりしを、
先きの
日故郷よりの
便りに
曰く、
大旦那さまこと
其後の
容躰さしたる
事は
御座なく候へ
共
馬廻りに
美男の
聞えは
有れど、
月の
雲井に
塵の
身の
六三、
何として
此戀なり
立けん、
夢ばかりなる
契り
兄君の
眼にかヽりて、
或る
日遠乘の
歸路、
野末の
茶店に
女を
拂ひて