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雲井
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くもゐ
此身は
雲井の
鳥の
羽がひ
自由なる
書生の
境界に
今しばしは
遊ばるゝ
心なりしを、
先きの
日故郷よりの
便りに
曰く、
大旦那さまこと
其後の
容躰さしたる
事は
御座なく候へ
共
馬廻りに
美男の
聞えは
有れど、
月の
雲井に
塵の
身の
六三、
何として
此戀なり
立けん、
夢ばかりなる
契り
兄君の
眼にかヽりて、
或る
日遠乘の
歸路、
野末の
茶店に
女を
拂ひて