“くたび”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
草臥84.2%
疲労6.2%
4.2%
草疲1.5%
足労1.5%
1.2%
九度0.4%
足疲0.4%
過労0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「ああ、草臥くたびれた。」と老人は溜息が洩れた。娘は寝椅子の布が破れたのを、「家具屋さんかしら?」と言った。老人は黙っていた。
老人と孤独な娘 (新字新仮名) / 小山清(著)
そして大変疲労くたびれて家に帰りました。宵のうちに、ちよつとお復習さらひをして(またあしたの朝お母さんに、笑はれては口惜しい)
目醒時計の憤慨 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
とく國府津こふづどまりはこが三四りやう連結れんけつしてあるので紅帽あかばう注意ちゆういさいはひにそれにむとはたして同乘者どうじようしや老人夫婦らうじんふうふきりですこぶすいた、くたびれたのと
湯ヶ原ゆき (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
歩き廻っている内に草疲くたびれて了うばかりでなく、路に迷いもするということである。果してこの通りのことが起った。
派手を競い、華美をつくし、見ているのも足労くたびれるほど沢山、目印を各講中ごとに押立てくるが、そのどれもがかわらないのは、気狂いかと思うほど無中で太鼓をたたいてお題目だいもくをど鳴ることだった。
今日きょうも朝から一日奔走かけあるいたので、すっかりくたびれてしまって、晩方一風呂ひとっぷろはいったところが、暑くて寝られんから、ぶらぶら納涼すずみに出掛けて、ここで月をていたうちに
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
そうして、実際三度どころか、九度くたびも戦って勝っているです。私に云わせると、それが卑怯ひきょうだと思うのですな、自分の失敗を天にかずける——天こそいい迷惑です。
英雄の器 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
足疲くたびれて転げる者、迎へに来た女房と大声で話をとり交してゐる者もあり、そしてまた鬨の声をあげてワーワーと騒ぐだけのことなのだから
円卓子での話 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
此女これはよほど大切だいじに保養せねばならんのです。それに私もこの頃過労くたびれているので、ゆっくり静養したいと思います