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憊
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くたび
ふりがな文庫
“
憊
(
くたび
)” の例文
「何でもいいから芝へ行きましょう。
恁
(
こ
)
うなれば見えも外聞もありゃしない」お島はそう言って
倦
(
う
)
み
憊
(
くたび
)
れた男を引立てた。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
今日
(
きょう
)
も朝から一日
奔走
(
かけある
)
いたので、すっかり
憊
(
くたび
)
れてしまって、晩方
一風呂
(
ひとっぷろ
)
入
(
はい
)
ったところが、暑くて寝られんから、ぶらぶら
納涼
(
すずみ
)
に出掛けて、ここで月を
観
(
み
)
ていたうちに
義血侠血
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
脚も手も
憊
(
くたび
)
れきった体を、硬い蒲団に横たえると、すぐにぐッすり寝込んだ。朝起きるとまた同じように、重い体を動かさなければならなかった。
足迹
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
門飾の
笹竹
(
ささだけ
)
が、がさがさと
憊
(
くたび
)
れた神経に刺さるような音を立て、風の
向
(
むき
)
で時々耳に立つ遠くの町の群衆の
跫音
(
あしおと
)
が、
潮
(
うしお
)
でも寄せて来るように思い
做
(
な
)
された。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
叔母は待ち
憊
(
くたび
)
れて安火に入って好きな講釈本を読んでいたし、お庄は帰ろう帰ろうと思いながら、もう外へ出るのが
億劫
(
おっくう
)
になって、暖かい日のあたる縁側で
足迹
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
▼ もっと見る
小野田が出した
懇
(
ねんご
)
ろな手紙に
誘
(
いざな
)
われて、田舎で毎日野良仕事に
憊
(
くたび
)
れている彼の父親が、見物にやって来たり、お島から書送った同じ誘引状に接して、彼女が山で懇意になった人々が
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
憊
漢検1級
部首:⼼
16画
“憊”を含む語句
困憊
老憊
疲憊
疲労困憊
疲弊困憊
困憊彷徨
困憊期
敗殘困憊
旅憊
気憊
疾憊
病憊
衰憊
飢餓困憊