“えんしよ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
炎暑50.0%
艶書50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
夫よりして友次郎夫婦ふうふ路次ろじ油斷ゆだんなく少しも早く江戸にいた如何いかにもして身の落付おちつきを定めんものと炎暑えんしよの強きをもいとはず夜を日についゆくほど早晩いつしか大井川を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
さかんなるかな炎暑えんしよいろ蜘蛛くもまぼろしは、かへつ鄙下ひなさが蚊帳かやしのぎ、青簾あをすだれなかなる黒猫くろねこも、兒女じぢよ掌中しやうちうのものならず、ひげ蚊柱かばしら號令がうれいして、夕立ゆふだちくもばむとす。
月令十二態 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
與へ干殺ほしころさんとこそたくみけれされ無慚むざんなるかな藤五郎は其身不行跡ふぎやうせきとは云ながらわづか三でふ座敷牢ざしきらう押籠おしこめられ炎暑えんしよの甚はだしきをもしのぎかね些々さゝたる庇間ひあはひの風を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
おれの艶書えんしよの文体にしても、さう無際限にある訳ぢやなし、そろそろもう跡が続かなくなつた。
好色 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
なほ一件ひとつ最も彼の意を強うせし事あり。そは彼が十七のとしに起りし事なり。当時彼は明治音楽院に通ひたりしに、ヴァイオリンのプロフェッサアなる独逸ドイツ人は彼の愛らしきたもと艶書えんしよを投入れぬ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)