“えんしょ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
艶書90.0%
炎暑10.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
かの爛漫らんまんたる桜花と無情なる土塀と人目を忍ぶ少年と艶書えんしょを手にする少女と、ああこの単純なる物象ぶっしょうの配合は如何いかに際限なき空想を誘起せしむるか。
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
艶書えんしょを入れて来たりして、それからは、一日に二度も来るようになったのだと、困ったというふうに話した。
田沢稲船 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
夜に入ると流石さすがに猛威をふるった炎暑えんしょも次第にうすらぎ、帝都の人々は、ただもうグッタリとしてりょうを求め、睡眠をむさぼった。
省線電車の射撃手 (新字新仮名) / 海野十三(著)
忍剣にんけん龍太郎りゅうたろう小文治こぶんじ蔦之助つたのすけ竹童ちくどうの五人は、時にとって炎暑えんしょをしのぐ一じゅかげともありがたく思いながら
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
もう九月も暮れて十月が来ようというのに、其の年はどうしたものか、厳しい炎暑えんしょがいつまでもゆるまなかった。
省線電車の射撃手 (新字新仮名) / 海野十三(著)