“えど”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
江戸72.6%
穢土13.7%
海土2.7%
2.7%
江都2.7%
荏土2.7%
絵取1.4%
絵解1.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
下町したまちはうらない。江戸えどのむかしよりして、これを東京とうきやうひる時鳥ほとゝぎすともいひたい、その苗賣なへうりこゑは、近頃ちかごろくことがすくなくなつた。
木菟俗見 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
われらも穢土えどの衆苦を去って、常寂光じょうじゃっこうの中にじゅうそうには伊勢物語をそのままの恋をするよりほかはあるまい。何と御身おみもそうは思われぬか。
邪宗門 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
だから改めて読み直すと市川海土蔵えどぞうだ、海土えどの土の字の下へ点を打ったりなんかしてごまかしていやがら。変だと思ったよ
大菩薩峠:23 他生の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
ひげのある親仁おやじが、紺の筒袖を、斑々むらむら胡粉ごふんだらけ。腰衣のような幅広の前掛まえかけしたのが、泥絵具だらけ、青や、あかや、そのまま転がったら、楽書らくがき獅子ししになりそうで、牡丹ぼたんをこってりと刷毛はけえどる。
縷紅新草 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
かの人江都えど小田原町辺の魚肆に因みありて往きかいけるが、一日かの家に往きけるおり、みせにありける帳をって、すずろに披閲しけれども、その身に無用の物なれば、熟視するというにはあらず
よくは知らぬが、荏土えどの庄といわれていた頃、いくさがたびたびあったらしいな。遠くは、治承の昔、源頼朝が、伊豆から渡って、関東の兵をあつめたのもこの河原。
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
涙と寝垢ねあかをリスリンできれいにき取ってそのあとの顔へ彼女は「娘」を一人絵取えどり出した。それは実際にはありそうも無い「娘」だった。
売春婦リゼット (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
自分が絵解えどきをした絵本、自分が手をとって習わせた難波津なにわづの歌、それから、自分が尾をつけた紙鳶いかのぼり——そう云う物も、まざまざと、自分の記憶に残っている。……
忠義 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)