えど)” の例文
上臈貴嬪らは肥満ふとっちょ松風村雨まつかぜむらさめや、痩身やせっぽち夷大黒えびすだいこくや、渋紙面しぶかみづらのベニスの商人や、顔を赤くえどったドミノの道化役者や、七福神や六歌仙や、神主や坊主や赤ゲットや
ひげのある親仁おやじが、紺の筒袖を、斑々むらむら胡粉ごふんだらけ。腰衣のような幅広の前掛まえかけしたのが、泥絵具だらけ、青や、あかや、そのまま転がったら、楽書らくがき獅子ししになりそうで、牡丹ぼたんをこってりと刷毛はけえどる。
縷紅新草 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)